『そして2014年、日本経済が蘇る』を読んで

2014年01月23日

 増田悦佐さんのご著書『世界は世紀末という大転換を迎える そして2014年、日本経済が蘇る』を拝読いたしました。

 増田さんは1949年東京都生まれ、一橋大学経済学研究科修了後、ジョンズ・ホブキンス大学大学院博士課程を修了されました。ニューヨーク州立大学助教授、外資系証券会社の建設・住宅・不動産担当のアナリストを経て、現在は株式会社ジパング経営戦略本部シニアアナリストを務めておられます。
 
 増田さんのご著書は以前にもご紹介したことがあります。 

 『日本と世界を揺り動かす物凄いこと』を読んで
 http://highlyeffective.naganoblog.jp/e940031.html

 今回ご紹介する本は、300ページ超もあり分厚く、歴史があまり詳しくない私にはやや難しいと感じる部分もありました。

 この本を私なりにまとめると、今後の日本経済について、インフレ誘導策には批判的で、自然体のデフレ状態がよいという考え方です。

 本書によれば、輸出振興をすることが日本経済の復活につながるという考え方はピンボケだといいます。

 第二次世界大戦後の日本経済の復興は、あくまでも内需の拡大にもとづく成長加速に依存していた。ただ、日本はエネルギー資源、金属資源、食料の輸入依存度が高いので、これらの輸入を借金せずにまかなえるように輸出を伸ばしていたにすぎないのだ。
 
          『そして2014年、日本経済が蘇る』 p274より引用


 日本の輸出は中間財、資本財に代わってきているので、円高に耐えられるようになってきているそうです。

 いま進んでいる高齢化社会は一般的にはあまりよいこととは考えられていませんが、増田さんによれば高齢化社会とデフレは親和性が高いそうです。
 
 ただ、高齢化社会は、当然「今から借金をしてまで稼ぐよりは、すでに確保した蓄積が目減りしないようにしたい」と考える人が多い社会でもある。だからこそ、若い人の多い社会がインフレと親和性が高いのと同様に、高齢化社会はデフレとの親和性が高いのだ。

         『そして2014年、日本経済が蘇る』 p293より引用

       
 なお、「労働力人口が減少しつづけるとしたら、やっぱり暗い社会だろう」という感想はまちがっている。経済は、希少性の高い資源を大事に使い、希少性の低い資源はそれほど大事にしないという仕組みになっている。労働力人口が減少しつづける環境は、それだけ希少性の高まる勤労者は大事にされ、蓄積が高まっていくらでも使える資本の取り分が目減りしていく社会になる。

         『そして2014年、日本経済が蘇る』 p297-298より引用


 やがてヨーロッパ各国も日本のようなデフレの状態がよいと考えるようになり、日本の国民もインフレ誘導に異を唱えるようになるというのが増田さんの読みです。

 デフレにもよいところがあるという点でユニークな論理です。

 この20年、デフレで商売は大変でしたが消費者としての生活は悪化していないと思います。私は昔と比べて品質のよいものが安く手に入るようになったという感じがしています。

 先月、上海に行ったときには、現地の中国人に「日本は物価が安いから、日本へ行ったら買い物をしたい」と言われて、世界観が変わるような気がしました。

 今後もデフレの状態が維持されるようなことがあったら、生活がもっと質素でコンパクトになるだけで、世の中は意外と変わらないかも・・・・・・という気もしています。

 どうぞご参考になさってください。(題名から期待するような派手なことはあまり書いてありません。)

  


 参考文献:『世界は世紀末という大転換を迎える そして2014年、日本経済が蘇る』
 


  

 Hitoshi Yonezu at 10:00  | 読書感想 経済書

『成長から成熟へ さよなら経済大国』を読んで

2014年01月17日

 天野祐吉さんの『成長から成熟へ さよなら経済大国』を拝読いたしました。
 
 天野さんは1933年東京都生まれ、博報堂を経て、雑誌『広告批評』創刊編集長を務められ、その後はコラムニストとして活躍されていました。2013年お亡くなりになりました。
 テレビなどの出演も多い方でしたので、お顔をご存知の方も多いのではないでしょうか。

 この本は1月21日に開かれるビジネス読書会の課題図書です。友人のTさんが選んでくださいました。

 気になった部分をご紹介します。

 政府が出す広告について、次のように批判をされています。

 僕らが調べた限りでは、政府の広報活動には、大きく分けて「行政広報」と「政策広報」の二つがあります。行政広報というのは、何月何日に選挙があるといったような行政上のお知らせ、一方の政策広報というのは、政府が行っている政策に理解や協力を求める広告です。当然ですが、前者は告知広告、後者は意見広告という形になりますね。
 このうちの行政広報は、たいていの国では新聞や雑誌を使って広告をしています。が、マスメディアを使って政策広報をしている国は、ないと考えていい。なぜって、政府がやっている、あるいはやろうとしている政策には、国民の間に賛否両論があることが多い。それを一方的な意見広告として出すことは、それも国民の税金を使って出すことは許されないんじゃないか、というわけです。

        『成長から成熟へ さよなら経済大国』 p140-141より引用


 政府の意見広告というのはたびたび目にしましたが、どんな省の広告でも何の感動もなくて、薬にも害にもならない程度のものだと思っていました。
 広告批評から見ると、こういうことなんですね・・・・・・

 「地方分権」という言葉は普通に使われていますが、天野さんは次のように述べています。

 「地方分権」という言い方も、ちょっと気になる。だいたい「地方」とういのは「中央」の対置語ですね。中央があるから地方がある。地方は中央の下位概念です。民放の地方局がいい例です。あれはほとんどが、中央のキー局の子分みたいになっています。あるキー局に系列局の女子アナが集まって歌をうたったりする番組がありますよね。あれを見ていると、女子アナが全員同じような顔で、同じような言葉を、同じような調子でしゃべっていることにびっくりする。それぞれの地域の匂いが全くしてこないんです。
 これが文化の中央集権体制が生んでいることの縮図です。どうしてこうなるか。「地方」だからです。「地域」にしなきゃだめなんです。「地域」の上位概念はありません。しいて言えば「全土」でしょう。

       『成長から成熟へ さよなら経済大国』 p194より引用


 東京オリンピックが決まってますます中央集中が進むように思います。

 江戸時代の幕藩体制においては、それぞれの藩は独自の文化をもって独立した運営をしていました。距離の離れた藩と藩では方言が違い過ぎて言葉も通じなかったのではないでしょうか。
 
 なかなか鋭い指摘だと思いました。

 テレビでのコメントを聞いているような感じで、個別にはよく理解できたのですが、全体としては何を言いたいのかよく分からなかったので、読書会までに理解しておきたいと思います。

 ご興味のある方はご参考になさってください。

  


 参考文献:『成長から成熟へ さよなら経済大国』
 
  

 Hitoshi Yonezu at 10:00  | 読書感想 経済書 | 読書感想 社会思想

『「5年後の世界経済」入門』を読んで

2014年01月10日

 中原圭介さんのご著書『トップリーダーが学んでいる「5年後の世界経済」入門 いま知っておくべきこと、やるべきこと』を拝読いたしました。

 中原さんは経済・金融のコンサルティング会社「アセットベストパートナーズ株式会社」のアドバイザー兼エコノミストとして活動されています。中原さんのご著書は以前にもご紹介したことがあります。

 『金融危機で失った資産を取り戻す方法』を読んで
 http://highlyeffective.naganoblog.jp/e563545.html

 『お金の神様2 勝ち切る投資』を読んで
 http://highlyeffective.naganoblog.jp/e845733.html
 
 この本はこれから世界の経済がどのような方向に進んでいくかを教えてくれるものです。

 「内戦もありうる中国からは撤退すべし」とか「今後アメリカは製造業大国になる」など大胆な予測もあり楽しく読むことができました。
 
 アベノミクスで行われている金融緩和については次のように述べています。

 結局、日銀が金融市場への資金供給をいくら増やしても、体力のない中小企業は恩恵を受けることができません。
 つまり、日銀が行う量的緩和は、大企業には有利に、中小企業には不利に働いて、経済格差をますます拡大させる結果をもたらしているわけです。

         『「5年後の世界経済」入門』 p166-167より引用

 
 中小企業は一般的に財務基盤が弱く、銀行からよい評価を受けることができないために、貸出金利は3%台になっているそうです。一方、大企業を中心とした財務力のよい企業はより安く資金を調達できるのです。日本の労働者の9割が勤めている中小企業にとって、金融緩和はあまり恩恵がなく、そこで働く労働者の給料や雇用にも影響は及ばないのだそうです。
 
 昨今、私の友人が経営する中小企業でも、海外へ工場を出す会社が増えてきました。
 中原さんは、海外に移転した企業は、円安になるという理由だけでは国内に回帰することはない、といいます。
 
 ただ、他の二つの理由によって国内回帰をする企業が増えるだろうと予測します。
 一つは2017年以降、アメリカからのシェールガスの輸入が始まり、エネルギーコストが大幅に下がること、もう一つは中国をはじめとするアジア諸国の人件費が高騰し日本の相対的な人件費が下がること、です。
 この二つの要因を考えると、日本経済が苦しいのはあと5年くらいだということです。(p171)

 中原さんは、岡山から全国へ、そして海外へも進出し急成長しているクロスカンパニーを紹介されています。アースミュージック&エコロジーのお店で有名な会社ですね。同社では全社員を正社員にして、社員を大切にしています。
 
 クロスカンパニーを例にして、次のように述べられています。

 「地方で成功している企業の特徴は、従業員とその家族、そして取引先を、まず大事にすることです。その先に顧客の利益があって、株主の利益は一番後回しにしています」
 
            『「5年後の世界経済」入門』 p190より引用


 日本の中小企業においては、株主=経営者の場合が多いですから、株主が最後ということは経営者が自分自身をいちばん最後にするということですね。

 その志を私も肝に銘じたいと思います。
 
 みなさまもどうぞご参考になさってください。
 
  



 参考文献:『トップリーダーが学んでいる「5年後の世界経済」入門 いま知っておくべきこと、やるべきこと』
             中原圭介 (日本実業出版社)
 


  

 Hitoshi Yonezu at 10:00  | 読書感想 経済書

『僕が米国株を勧めるこれだけの理由』を読んで

2014年01月09日

 松本大さんの『世界のマーケットで戦ってきた僕が米国株を勧めるこれだけの理由』を拝読いたしました。

 松本さんは1963年埼玉県生まれ、ソロモン・ブラザーズ、ゴールドマン・サックスを経て、99年マネックス証券を設立、現在はマネックスグループ株式会社およびマネックス証券株式会社両社のCEOを務めておられます。

 この本は米国株に投資することを勧めるものです。前半の第1章から第3章までは松本さんが執筆されていますが、後半の第4章から第7章の部分はマネックス証券の担当者が執筆を担当されていて、多少マネックス証券の宣伝も入っています。

 松本さんは、米国株を勧める理由として、米国経済の強さの源泉を三つ挙げています。

 一つは人口が増加していることです。2013年現在3億1600万人の人口は2050年には4億2000万人に増加するそうです。

 二つ目は教育です。特に高等教育においては米国の右に出る国はないといいます。

 三つ目はエネルギーです。話題になっているシェールガスやシェールオイルの採掘が軌道に乗ったことで、米国は再び資源大国になる道を歩み始めているそうです。シェール革命の進展によっては双子の赤字の解消もあり得るとのことです。(p11-p16)

 我が国で進みつつある輸入インフレの対応策として、資産の一部を外貨建てにしておくことが効果的だそうです。

 外貨建てに切り替えた資産はある種の保険として、ずっと外貨建てのまま保有し、運用を続けていくのがよいでしょう。つまり、為替レートの値動きをみていちいち外貨にしたり、円に戻したりするのではなく、ひたすら外貨のまま運用し続ける部分を、自分のポートフォリオのなかに組み込んでしまうのです。

 『世界のマーケットで戦ってきた僕が米国株を勧めるこれだけの理由』 p90-91より引用
  

 昨年末、QE3を収束させる話が出てきた後も米国株は上昇しました。

 しかし、一方で、アメリカはいまバブルの状態であって、その崩壊は近い、という説もあります。
 
 米国株を勧めることについて論理は通っていますが、あまりにも正論過ぎて、どうしてそこまで米国株を勧めるのか?という疑念もあります。

 米国株の売買に優れているというマネックス証券の広告的な意味もあるのではないか、と考えます。それも重々分かった上で、どんなことが書いてあるのか知りたくて購入したのですが・・・・・・

 ご興味のある方はご参考になさってください。
 
  



 参考文献:『世界のマーケットで戦ってきた僕が米国株を勧めるこれだけの理由』
               松本大 (東洋経済)
 
  

 Hitoshi Yonezu at 10:00  | 読書感想 経済書

『日本が世界一「貧しい」国である件について』を読んで

2013年11月18日

 谷本真由美さんのご著書『日本が世界一「貧しい」国である件について』を拝読いたしました。

 谷本さんは1975年、神奈川県生まれ、シラキュース大学大学院修士課程を修了され、ITベンチャー、コンサルティングファーム、国連食糧農業機関などを経て、現在はロンドンの金融機関で情報システムの品質管理とITガバナンスを担当されています。その傍ら、ロンドン大学の教授である夫とともに日本人の英語指導にも携わっています。

 May_Romaの名称でのツイッター上でのつぶやきは、多くのフォロワーに読まれ、時には賛否両論を引き起こしています。この本は谷本さんの初の書き下ろしだそうです。

 内容は日本人の生き方や働き方をイギリス人のそれと比較して、日本人の行動や悪習慣を批判するものです。
 
 ほとんどのことは昔からよく言われていることですので、私にとってはそんなに目新しさはなかったです。
 谷本さんが国連など異文化の集まる場所で実際に勤務をされていたことと、ツイッターでのつぶやきに人気が出たことが、この本のベースだと思います。

 最近ノマドという働き方が知られるようになり、一般の方のなかにもその働き方にあこがれる人が多いようです。

 ノマドワーカーとは、独自の能力を持った人が国境を越えてさまざまな場所で働きながら生きることです。

 谷本さんは次のように述べています。

 しかしながら、「超ノマド」は、そもそも市場に求められる高い専門性があり、凡人ではまねできない能力や技能があり、さまざまな国で働くことが可能な語学力(英語)に加え、文化的適応性がある人々のことを指します。要するに、「超ノマド」になることができるのは、たった一握りの才能あふれる人々なのです。

    『日本が世界一「貧しい」国である件について』 p101より引用


 労働力が国際的に流動化し、企業や工場の移転も自由になると、普通の人には住みずらい世界となり、下層ノマドが出来てしまうそうです。

 このような世界では、平凡な人や才能がない人は、アタリが指摘する「下層ノマド」にならざるを得ません。「下層ノマド」とは、グローバル化が進んだことで、会社や仕事が国外に移転してしまい、国内に仕事がなくなってしまったために、仕事を探してさまざまな土地をさまよう人たちのことです。

   『日本が世界一「貧しい」国である件について』 p105より引用
   (アタリ:フランスの思想家、ジャック・アタリのこと)

 
 「超ノマド」になるためには、メニューの提案からマーケティング、料金計算、どんぶり洗いまでこなせる「豚骨ラーメンに特化した屋台の一人親方」(p104)になる必要があるというわけです。
 
 ノマドワーカーとは夢のある響きですが、実は恐ろしい将来を見ているのですね。

 ご興味のある方は、読んでみてください。
 
  



 参考文献:『日本が世界一「貧しい」国である件について』
 

  

 Hitoshi Yonezu at 10:00  | 読書感想 経済書

『新聞では書かない、ミャンマーに世界が押し寄せる30の理由』を読んで

2013年10月02日

 松下英樹さんのご著書『新聞では書かない、ミャンマーに世界が押し寄せる30の理由』を拝読いたしました。

 松下さんは1964年静岡市生まれ、早稲田大学商学部をご卒業され、参議院議員秘書を経て、1999年静岡市にPCスクール運営会社、オックスクラブ・ドット・コムを設立されました。1990年からミャンマーに通い始め、現地での会社の経営を通じて人脈を広げていったそうです。2013年1月、日系初のベンチャーキャピタル、バガン・インベストメント社を設立し、取締役執行役員に就任されています。

 この本は成長が見込まれるミャンマーについて、政治経済や社会について、いまの様子を伝えてくれるものです。

 私はこの7月に視察旅行で初めてカンボジアのプノンペンに行きました。混沌としている中で今後経済は成長していくに違いない、という雰囲気をひしひしと感じることができました。ミャンマーのヤンゴンとはさまざまな面で事情が違いますが、この本を読みながらヤンゴンの街はプノンペン同様に活気であふれているのだろう、と想像しておりました。

 プノンペンの町では、ときどきハングル文字を見て、多くの韓国人が進出していることを感じましたが、ヤンゴンでも同じ様子らしいです。

 ヤンゴン市内に来てみると、韓国人の姿や韓国語の看板が目につくはずだ。それもそのはず。ヤンゴンに住んでいる日本人は700人程度といわれるが、韓国人は1万人以上住んでいる。ミャンマー人の間では、かつての日本のように韓流ドラマが大人気だ。雑誌やCM、市内の看板をみても、韓国人スターが数多く登場している。
 
 『新聞では書かない、ミャンマーに世界が押し寄せる30の理由』 p85より引用
              
 
 ミャンマーのビザには、面白い制度があるそうです。

 通常、観光は28日間、商用は70日間と滞在期間が定められている。ところが出家修行に関しては、「メディテーション(瞑想)ビザ」という制度があり、ミャンマー国内の僧院からの招待状があれば何年間でも滞在できる。滞在費用も基本的には無料だ(気持ちがあればお布施をすれば良い)。

 『新聞では書かない、ミャンマーに世界が押し寄せる30の理由』p128より引用


 ミャンマーで今後有望なビジネスは次のようなものだそうです。

 ①鉱業
 ②農業
 ③ホテル・観光業
 ④通信・IT業
 ⑤株式投資


 ヤンゴンではホテル不足が続いており、ヒルトンやノボテルなど世界的なホテルチェーンやタイやマレーシアのホテル運営企業が続々と進出してきて、急ピッチで工事を進めているそうです。

 ヤンゴンの土地は、目下のところバブルではないかと思われるほど高騰しているので、好立地で十分な面積のある用地は少ないが、日本式のビジネスホテルを建てるのに適した300~500坪くらいの物件はたくさんある。1泊70~80ドル前後で泊まれるような、レストランや宴会場のない、コンパクトで設備の整った70室くらいのホテルを作れば、けっこう需要はあるように思うのだが、まだ日系のホテルが進出するといった話は聞かない。

 『新聞では書かない、ミャンマーに世界が押し寄せる30の理由』p169より引用

 
 東南アジアへいくといずれの国でも中国や韓国の資本が進んでいることを感じます。東南アジアは日本の資本にとっても大きなチャンスだと思います。

 ミャンマーにご興味のある方はご参考になさってください。 

  


 参考文献:『新聞では書かない、ミャンマーに世界が押し寄せる30の理由』
                    松下英樹 (講談社+α新書)
 


  

 Hitoshi Yonezu at 10:00  | 読書感想 経済書

日銀の役割

2013年03月29日

 新聞記者が雇用や賃金の問題について記事を書こうとするとき、日本ではおそらくほとんどの記者が厚生労働省に取材に行くと思います。
 
 では、アメリカの記者がアメリカの同じく雇用や賃金の問題について取材をするときはどこへ行くのでしょうか?

 アメリカ連邦準備制度委員会、いわゆるFRBなのだそうです。

 アメリカにおいてはFRBが雇用に対して最も重い責任を負っています。

 高橋洋一さんのご著書『日本人が知らされていない「お金」の真実』より引用します。

 「FRBの金融政策目的には①雇用の最大化、②安定した物価、③中程度の長期金利を保つ、の3つがあり、その実現のために、通貨の信用を保ちつつ『長期的な通貨の増大』をする」となる。
 つまり、「雇用の最大化」は、物価や金利のコントロールと並んで、アメリカの中央銀行に法律で課せられた重要な仕事なのである。FRBは「長期的な通貨の増大」をもって雇用を最大化する法的な義務を負っているのだ。

        『日本人が知らされていない「お金」の真実』p18より引用


 EUの中央銀行であるECB(欧州中央銀行)もFRBと同様に雇用に責任を負っていますし、イングランド銀行も雇用の政策に密接に関連しているのだそうです。

 一方で、日本の中央銀行である日本銀行はどうか。日本銀行の設置法である「日本銀行法」には、次のように書いてある。

 「第2条 日本銀行は、通貨及び金融の調節を行うに当たっては、物価の安定を図ることを通じて国民経済の健全な発展に資することをもって、その理念とする」

 つまり、日本銀行には「物価の安定」だけが課せられており、雇用を増やすといった義務はない。このほか、日銀法のどの条文を読んでも、「雇用」については一切触れられていないのだ。
 しかし世界では、「雇用」について中央銀行が責任を負うのはむしろ一般的である。日本銀行は、「雇用」についてまったくなんの責任もない、世界でも珍しい中央銀行なのだ。

         『日本人が知らされていない「お金」の真実』p20より引用


 高橋さんは、中央銀行が適切な施策を行えば雇用に関するさまざまな問題を解決できる、と述べています。

 昨年政権が変わり、日銀が金融政策の変更を宣言しただけで、株式市場や為替市場に大きな変化が出てきました。 

 現実には何も変わっていないのに、宣言だけで大きな変化が出たのです。こういう状況は初めてではないでしょうか。

 これからに大きな期待をこめたいと思います。

  


 参考文献:『日本人が知らされていない「お金」の真実』 高橋洋一 (青春出版社)
 

  

 Hitoshi Yonezu at 10:00  | 読書感想 経済書

『世界のお金は日本を目指す』を読んで

2013年02月07日

 岩本沙弓さんのご著書『世界のお金は日本を目指す』を拝読いたしました。
 
 岩本さんは1991年より日米加豪の金融機関においてヴァイス・プレジデントとして外国為替、短期金融市場取引を中心にトレーディング業務に従事され、現在は金融コンサルタント、経済評論家としてご活躍されています。
 
 日本経済や日本国債の先行きについて強気の発言をされる方です。岩本さんのご発言には前から興味があって、どんな論理なのか早く読みたいと思っていました。

 日本国債がデフォルトしない論理は他の同様の強気の論者とほぼ同じでした。

 日本国債は国内からの資金で九二%まかなわれています。この比率が三〇%から四〇%にはならないと、まず海外投資家からの売り圧力は発生しないでしょう。
 皆さんの預金が国債購入にまわっているわけですから、この九二%の比率を下げるためには、日本国民が一斉に預金を銀行から引き出し、タンス預金にするか、外貨預金をしなければなりません。一斉にです。

           『世界のお金は日本を目指す』 p51より引用


 これまでソロスをはじめ海外勢が何度も売りを仕掛けたそうですが、敵わなかったそうです。

 むろん、今後何年先になるかわかりませんが、政治が相変わらず機能不全のまま国の借金がずっと増え続ければ、日本国債の海外の保有比率が上がり、日本の財政問題を取り上げて攻撃される場面が訪れるかもしれません。
 しかし、それまで相当の余力と時間があるにもかかわらず、国家破綻や財政危機を闇雲に訴えるのはとてもおかしなことです。

           『世界のお金は日本を目指す』 p52より引用


 興味深かったのは、円高に対抗した為替介入についてです。

 2011年10月31日からのわずか5日間の為替介入で、当時の安住財務大臣は9兆円もの資金を投入しました。
 その資金は政府債務残高のなかの、政府短期証券となって示されています。政府短期証券のうちのほとんどは外国為替資金証券の残高だそうです。

 一九九〇年代は四〇兆円だったものがいまや当時の三倍である一二〇兆円に迫る勢いです。ここ一〇年余り、介入が実施されなければ八〇兆円近くの財源が確保できたわけです。効果のないものにこれだけの資金を投じるのですから、異常です。

            『世界のお金は日本を目指す』 p70より引用

 
 いま(2013年2月)はだいぶ円安に向かっていますが、為替介入をしているというわけではありません。

 税収が減って消費税の増税をしようとしているのに、これだけのお金を投入してしまったことには疑問が残ります。

 このほかにも面白い話題がいくつも紹介されています。なかなか骨太な本です。みなさまもご参考になさってください。
 
  


 参考文献:『世界のお金は日本を目指す』 岩本沙弓 (徳間書店)
 


  

 Hitoshi Yonezu at 10:00  | 読書感想 経済書

『山手線に新駅ができる本当の理由』を読んで

2012年09月28日

 市川宏雄さんのご著書『山手線に新駅ができる本当の理由』を拝読いたしました。

 市川さんは1947年生まれ、早稲田大学理工学部建築学科、同博士課程を経て、ウォータールー大学大学院でPh.Dを取得、現在、明治大学専門職大学院長、公共政策ガバナンス研究科長を務めておられます。
 先進国から途上国まで都市整備や地域開発に数多く参画、国際都市間競争下での都市戦略を提言されています。東京都の都市計画審議会などの委員も歴任されている東京研究の第一人者だそうです。

 お正月が明けきらぬ新聞の一面に「山手線に新駅」の記事が大々的に踊っていたのを覚えている方は多いのではないでしょうか。
 私もいったいどういうことなのだろうと興味深く読みました。

 2020年を目指して、品川駅と田町駅の間に山手線で30番目の新駅ができるというニュースでした。

 いわれてみれば昔から田町と品川の間は他の駅間に比べて少し長いなあと感じておりました。
 この場所にある品川車両基地を有効活用するというわけです。

 ここには単に新しい駅を作るだけではないのです。
 東京都の掲げる「アジアヘッドクォーター特区」構想にもとづいて、規制緩和や法的な優遇措置を行い、外国企業にとって魅力的なビジネス環境を提供したいという考えがあります。
 「アジアヘッドクォーター構想」は2011年に総合特別区域法の国際戦略総合特区として認められ、国のバックアップも受けられるようになっているそうです。

 世界に開く新しい街を作るという壮大な構想だったわけです。

 この話が出てくる元になったのは「東北縦貫線」の開通なのだそうです。
 東北縦貫線とは、「現在上野駅止まりの宇都宮線・高崎線・常磐線の線路を延長して、3線とも東京駅まで乗り入れようとするもの」で、山手線の混雑緩和に相当な効果があるそうです。この工事は2014年度中の完成を見込んでおり、完成すれば上野駅―品川駅の所要時間が11分短縮できるそうです。

 この線路ができることでいままで品川に停まっていたいた車両を田端、尾久、小山、籠原などにある車両センターに回送できるようになるため、品川車両基地のスペースが不要になるのです。

 この本には他にも、東京と羽田を新幹線で、また成田と羽田をリニアモーターカーで結ぶ話など、夢の計画が紹介されています。

 市川さんは東京への集中を否定せず、地方の将来については割り切った考え方をされています。地方に住む人間としては賛成できない面もありますが、東京に発展してほしいと願う気持ちは同じです。

 交通網の発達は生活やビジネスを大きく変えます。

 どうぞご参考になさってください。

  


 参考文献:『山手線に新駅ができる本当の理由』 市川宏雄 (メディアファクトリー新書)
 
  

 Hitoshi Yonezu at 10:00  | 読書感想 経済書

経済成長は必要か?

2012年09月20日

 C.ダグラス・ラミスさんの『経済成長がなければ私たちは豊かになれないのだろうか』を拝読いたしました。
 
 ラミスさんは1936年サンフランシスコ生まれの政治学者です。カリフォルニア大学バークレー校を卒業、60年には海兵隊員として沖縄に駐留されました。80年から2000年まで津田塾大学教授を務められ、現在は沖縄を拠点として、執筆や講演などを中心に活躍されているそうです。

 この本は題名になっている経済成長だけではなく、戦争、安全保障、日本国憲法、環境などについて、現在敷衍されている常識が本当に正しいのかを問うものです。

 2004年9月に初版第一刷が発行されています。しばらく前の『週刊現代』のコラムで大橋巨泉さんがこの本を紹介されていたのが読むきっかけです。私が購入したときには古書しかなかったのですが、いまでは新しいものも買えるようです。

 考え方の根底はマルクス主義で、私からみると納得しずらい面もありますが、ところどころに鋭い指摘があり、ハッとさせられます。

 ゼロ成長を目指す歓迎するということは消極的な政策ではありません。船の例で言うと、ただエンジンを止めて何もしない、ということではなく、逆に経済成長よりもはるかに面白いプロジェクトを積極的に取り上げることを意味します。物質的な豊かさではなく、本当の意味での豊かさを求める社会、そして正義に基づいた社会をどうやって作るか。経済成長とはまったく別の、もっとずっと面白い歴史的なプロジェクトを推進することになると思います。

 そういう社会を求める過程を、私は暫定的に「対抗発展」(カウンター・デヴェロップメント)と呼んでみたいと思います。

   『経済成長がなければ私たちは豊かになれないのだろうか』より引用

 
 対抗発展では、経済成長を否定し、人間社会の中から経済という要素を少しずつ減らすのだそうです。

 それは、一つにはエネルギー、経済活動にかかる時間、値段のついたものなどを「減らす発展」、もう一つは経済以外の価値、経済以外の活動、市場以外の楽しみ、行動、文化など「経済以外のものを発展させること」です。

 仕事中毒も、消費中毒も経済発展から生まれてきたものなのだそうです。
 そうやって我々は経済活動の中の「人材」になってしまっています。人材から普通の人間にもどること、これが対抗発展の目的の一つだそうです。

 資本主義が当たり前になってしまっている私などが読むと新鮮な感じがします。ときには逆から見てみることも必要だと感じました。

 原子力の問題などは震災後の状況をみるにつけ、かなり核心を衝いた見方をしているように思います。

 ご興味のある方は読んでみてください。

  


 参考文献:『経済成長がなければ私たちは豊かになれないのだろうか』
            C.ダグラス・ラミス (平凡社ライブラリー)
 
  

 Hitoshi Yonezu at 10:00  | 読書感想 経済書

人生の先を見据える

2012年07月30日

 経済学では一般的に、人々は自分が人生においてどのような経済生活を送りたいかを考えながら毎年の消費額や貯蓄額を決めている、と想定しています。

 これはライフサイクル仮説とよばれる理論で、ほとんどのマクロ経済学の教科書には掲載されています。(最近の教科書は分かりませんが、少なくとも20年前までは載っていました。)

 では、人は自分のことしか考えていないかといえば、そんなことはなくて、実際には子供や孫のことを考えて人生の計画をしている人が多いのです。

 柳川範之さんの『元気と勇気が湧いてくる経済の考え方』より引用します。
 
 それでは、なぜ子供のライフサイクルも考えるのでしょうか。それは結局のところ、子供の満足度が自分の満足度に含まれているからです。つまり、子供が嬉しければ、自分も嬉しいと感じるからでしょう。そこから、かなりの金額を遺産で残す理由が説明できます。これがバロー教授の唱えたダイナスティー(王朝)・モデルです。
 見方を少し変えて言い換えれば、あれだけ多くの遺産が残されるということは、かなりの人たちが将来世代の満足を、(部分的にせよ)自分の満足として生活していることの証拠だと思います。

           『元気と勇気が湧いてくる経済の考え方』より引用  


 ダイナスティー・モデルもあくまでマクロ経済学の理論です。マクロ経済学ということは集計された数字の結果です。 

 しかし、この考え方から想起されることは、我われは人生の目標の期限を自分の死と結びつけなくてもいいのではないか、ということです。

 柳川さんは将来のために苗木を植える老人のエピソードを紹介されているのですが、自分の行なったことが、自分の死後、何十年も何百年もつながっていくということもあり得るのです。

 45歳になって、俺の人生も決まったな・・・・・・なんて思わなくていいのです。

 自分の人生より先を見据えることによって、いくらでも目標を設定することができる。
 
             『元気と勇気が湧いてくる経済の考え方』より引用

 
 偉人の中には亡くなった後に初めて評価された方も多いですね。

 いつでも、必ず、やり直せる!
 どんなときでも、追うべき目標はあるのだ。

             『元気と勇気が湧いてくる経済の考え方』より引用

 
 あきらめずに、元気を出して挑戦を続けていきましょう!!!
 
  


 参考文献:『元気と勇気が湧いてくる経済の考え方』 柳川範之 (日本経済新聞出版社)
 
  

 Hitoshi Yonezu at 10:00  | 読書感想 経済書

ラーメン屋さんの行列

2012年07月29日

 東京に行くと1時間近く待たなければ入れない大人気のラーメン屋さんがありますね。

 そんなに並んでいるのならおいしいのだろうなあ~入ってみたいなあ~と思いますが、それに費やす時間を考えたら諦めてしまいます。

 時間に余裕があった大学生の頃は、よく並んでラーメンを食べました。

 仕事をもっているいまは並んで待つ間に発生する機会費用がありますから、並べなくなってしまったのです。

 新幹線のグリーン車のように、同じ目的を果たすのでも特別な料金を払えば優遇してもらえる制度があったら食べられるのにね・・・・・・と思います。

 普通の行列の横に、特急の行列をつくって、こちらはプラス300円ですが、順番は早く回りますよ・・・とか。

 柳川範之さんのご著書『元気と勇気が湧いてくる経済の考え方』より引用します。

 価格で調整しているからといって、それは必ずしも金持ちを優遇する、金銭のみを重要と考える価値観に基づいているとは限らないという点も、重要なポイントです。どうしてもラーメンが食べたいというおじいちゃんを救いたいために、お金を払っているというのは、必ずしも価格第一主義だったり、拝金主義だったりするわけではないのです。

            『元気と勇気が湧いてくる経済の考え方』より引用

 
 おじいちゃんが「どうしてもあの行列のラーメンを食べたい」といったときに、特急レーンがあれば、なんの問題もなくラーメンを食べることができます。 

 緊急医療の世界ではトリアージ(識別救急)といって、症状によって治療の優先度を決める方法も行なわれています。この場合はお金ではなくて、症状の重症度と緊急度によって順番を決めている訳です。

 順番を決めるにも経済学の論理が関係しているのです。

 柳川範之さんの『元気と勇気が湧いてくる経済の考え方』には、現実に起こっている問題が経済学の論理を使って分かりやすく説明されています。
 
 経済学というと効率の話ばかりが強調されがちですが、規範的命題も当然含まれています。
 
 興味深い本です。どうぞご一読くださいませ。
 
  


 参考文献:『元気と勇気が湧いてくる経済の考え方』 柳川範之 (日本経済新聞出版社)
 

 参考ブログ:「『ラーメン二郎に学ぶ経営学』を読んで」
 http://highlyeffective.naganoblog.jp/e623802.html
  

 Hitoshi Yonezu at 10:00  | 読書感想 経済書

アメリカの貿易とは

2012年07月24日

 山田順さんの『円が消滅する日』より引用します。

 アメリカは世界覇権国である以上、世界のモノすべてをドルという自国通貨で買える。ということは、アメリカにとって世界は全部国内市場であり、国際間の取引を「貿易」と呼ぶなら、アメリカはそれをしていないのである。
 さらに、ここで重要なのは、世界経済に決定的な影響を持つ石油は、事実上ドルでしか取引できないことだ。旧イラクやイラン、そしてロシアなどが石油取引を一部ユーロにしたことがあるが、ほぼすべての国で石油代金の決済はドルで行われている。
 このドルでないと石油は買えないという点は大きく、ドルを刷れば石油を手に入れられることにおいて、アメリカドルは最強の通貨であり、アメリカの覇権は揺るがないのである。

                『円が消滅する日』より引用

 
 この本は元光文社ベーパーバックス編集長で、ジャーナリストの山田順さんが、円通貨の将来についてまとめたものです。週刊誌の編集にも携わっておられた方だけあって大変読みやすい文章ですいすい読めます。

 山田さんの本は前にもご紹介したことがあります。

 参考ブログ:『資産フライト』を読んで
 http://highlyeffective.naganoblog.jp/e861481.html

 アメリカの今後の景気についてはまだ不安がありますが、世界の覇権を維持できるかということについては、リーマンショック後の「アメリカ危うし」の論調はだいぶ和らいでいるように感じます。
 この本のように「アメリカはやはり強い」という話をする人も出てきています。
  
 山田さんは、アメリカを世界のルールメーカー、グローバル資本主義の管理者だとし、それ以外の国はそのルールの上でプレイをさせられてきたのだと述べています。

 紹介した文章に書かれているように、ドルが基軸通貨であることは決定的な強さです。仮に世界中のどこへ行ってもドルが通用するならば(それに近いものがありますね)、世界中が国内であるのと同じことだからです。

 アメリカはニクソンショックやプラザ合意など、自国が有利になるルール変更を突然行った過去があります。

 今後のアメリカの状況はよく見つめていきたいと思います。 
 
  


 参考文献:『円が消滅する日』 山田順 (日文新書)
 
  

 Hitoshi Yonezu at 10:00  | 読書感想 経済書

『商店街はなぜ滅びるのか』を読んで

2012年07月20日

 新雅史さんのご著書『商店街はなぜ滅びるのか』を拝読いたしました。

 新さんは1973年生まれ、東京大学人文社会系研究科博士課程(社会学)を単位取得退学され、現在は学習院大学非常勤講師を務めておられます。

 この本は商店街の歴史を胎動期(1920~1945)、安定期(1946~1973)、崩壊期(1974~)の三期に分けて解説するとともに、社会学者の立場から商店街の未来を展望するものです。

 新さんは北九州市の酒屋の長男として育ったそうですが、お店のことはあまり好きではなかったとのことで、その思いが行間から感じられました。
 
 私も商店街のお店の子として育って、いい思いも嫌な思いもしました。お店の子として育ったことが経営者としての考え方に良くも悪くも影響を与えています。
 小さな商店街ですが「大門町商工会」の会長も経験しましたので、商店街に対する考えは少なからずもっております。

 商店街について新さんは次のように考えておられるそうです。

 「商店街」という理念は評価できるが、それを担う主体に問題があったというのが、私の立場である。
 こうした立場を、人によっては、「商店街」という過去の成功事例に対する単なる郷愁や憧憬であると判断するかもしれない。
 しかし、わたしはそれに対しては、次のように反論したい。
 最終章でとくに論じていることであるが、わたしは、過去の共同体を復活させるためではなく、生活保障となるべき地域の拠点として、商店街を定位したいと思っている。

                  『商店街はなぜ滅びるのか』より引用


 新さんによる商店街が滅びた理由をまとめると次のようになります。
 
 1.保守政党と政治的な結託をした商店街が恥知らずの圧力団体になった。

 2.専門店を地域につくるという目的があったが、行政による免許付与は専門性とは関係なく行われた。


 消費向けの高金利の融資か住宅融資などに限られている若者たちへ資金を回すため、次のような提言をされています。
 
 こうしたドロ沼の状況から抜け出すためにも、地域単位で協同組合が商店街の土地を所有し、意欲ある若者に土地を貸し出すとともに、金融面でもバックアップするという仕組みがつくられるべきであろう。

               『商店街はなぜ滅びるのか』より引用


 親が行っていたお店を子どもが継承するという仕組みはますます成り立たなくなっています。人口が減少していくなかでは、従来通りの商売をしていたら淘汰されることは必然であり、その厳しい場面へわざわざ飛び込んでいく若者は少ないからです。
 
 一方、最近は若者が経営する洋服のお店や飲食店が商店街の表通りに出店するようになりました。かつては裏通りにあったお客様のターゲットを絞ったお店です。こういう店ははじめは人を集めても、長続きがなかなか難しいという現実があります。経営の観点が希薄で自分の趣味にあうことを優先してしまうからだと思います。

 若者の起業意欲を商店街の復活にかけるのは誠に結構な仕組みですが、何かもう少し手助けや仕組みが必要のように思います。
 
 商店街に関係している皆さまにはぜひ読んで頂きたい本です。
 
  


 参考文献:『商店街はなぜ滅びるのか』 新雅史 (光文社新書)
 
  

 Hitoshi Yonezu at 10:00  | 読書感想 経済書

『中国人の正体』を読んで

2012年05月10日

 中国問題評論家、石平(せき・へい)さんのご著書『中国人の正体』を拝読いたしました。

 著者紹介によりますと、石平さんは1962年、中国四川省成都生まれ、北京大学哲学部を卒業後、四川大学哲学部講師を経て、1988年に来日、1995年、神戸大学大学院博士課程を修了されました。2007年には日本に帰化されました。中国や日中関係について精力的に講演活動や執筆活動をされている方です。

 私の知っている中国人は全員いい人ばかりで、とても仲よくおつき合いさせて頂いておりますが、ニュースなどを見ると理解しがたい事もよく起こっています。

 この本は帰化した石さんならではの視点で解説してあり、大変興味深く読むことができました。

 石さんが引用されていますが、有名なルース・ベネディクトの『菊と刀』によれば、欧米人はキリスト教にもとづいた「罪」の意識で道徳倫理を守るのに対して、日本人は共同体の中で人に迷惑をかけてはいけないという「恥」の意識で道徳倫理を守るといわれています。

 この枠組みで言うならば、中国人は自己の利益を重視する「利」の意識で道徳倫理を守るのだ、と石さんはいいます。

 2006年、南京市内のバス停留所で、倒れていた老女を若者が助けたという事件があったそうです。
 このとき老女は助けてもらったにも関わらず、その若者に対して「私を押し倒したのはお前だ。責任をとれ!」と言いだして、その若者を相手に訴訟を起こしたのだそうです。

 この事件は中国ではとても有名になったそうで、中国ではこれをきっかけに老人が倒れていても知らんぷりをするようになってしまったのだそうです。
 
 人の親切を悪用して利益を得ようとする老女もひどいが、その話を聞いて「下手に助けたら損をするから」と、倒れている老人を見捨てる中国人も徹底している。「良心」とか「恩を感じる」ということは、どうでもいい世界になっている。
                      
                    『中国人の正体』より引用


 後日、同じく南京市で、別の老人がバスから降りるときに転倒した事件がありました。そのとき、周りにいた人は誰も助けてくれませんでした。老人は叫んだそうです。

 「間違いなく自分で倒れました。みなさんの責任ではないから、助けてください」

                    『中国人の正体』より引用


 全く笑えない笑い話です。

 「利」を中心に考えるとはどういうことか、具体例も豊富に解説されています。
 
 中国のとる態度が分からないという方は、石さんの視点で中国人の立場に立ってみると分かりやすくなると思います。

 どうぞご参考になさってください。

  


 参考文献:『中国人の正体』 石平 (宝島社)
 

 『菊と刀』 ルース・ベネディクト(著) 長谷川松冶(訳) (講談社学術文庫)
 
  

 Hitoshi Yonezu at 10:00  | 読書感想 経済書

オバマ大統領の「チェンジ」は?

2012年02月25日

 『帝国の終焉』で日高直樹さんは、オバマ大統領はアメリカを「チェンジ」できなかった、と述べています。

 オバマ大統領の経済政策は、明らかに失敗に終わった。失業者の数はオバマ大統領が就任して以来、二倍の一五〇〇万人に膨れ上がり、住宅の値段は依然として下がり続けている。専門家たちはアメリカの住宅の値段は二〇一五年にならないと下げ止まらないと見ている。そのうえアメリカの財政赤字は恐ろしいほどのスピードで増え続けている。

              『帝国の終焉』より引用

 
 政府だけでなくカリフォルニアやニューヨークといった州の赤字総額は24兆ドルにのぼり、公営住宅資金や住宅援助資金の焦げ付きが少なくとも数十兆ドルに達しているそうです。
 これらの借金をあわせるとアメリカの財政赤字は100兆ドルを超すことになるのだそうです。(1ドル=80円とすれば8000兆円です。日本の財政赤字はおおよそ1000兆円といわれています。)

 
 「大統領は当選してホワイトハウスに入るまでは党の代表である。だが、いったんホワイトハウスに入れば、アメリカ国民すべての代表になる」
 オバマ大統領はこのアメリカ政治のルールが分かっていない。ホワイトハウスに入ってからもオバマ大統領は野党共和党やその政治家たちを「憎い敵」と見なしている。国民を全体的に見ようという気持ちを持っていないのである。

               『帝国の終焉』より引用

 
 日高さんのオバマ評は厳しいものです。

 友人のアメリカ人ジャーナリストが私にこう言ったことがある。
 「オバマ大統領は、あまりにも貧しい子供時代を過ごしたために、借金は返さなければならないという、社会の基本ルールが分からなくなってしまった」

                『帝国の終焉』より引用


 アメリカの保守系雑誌『ウィークリー・スタンダード』が次のように指摘している。
 「オバマ大統領は子供の時、父親に捨てられたため、人に助けてもらいたいという願望が強い。このため自ら決定することができなくなった」

                 『帝国の終焉』より引用


 オバマ大統領はブッシュ大統領が始めたイラク戦争に対抗して「私の戦争」としてアフガニスタンで戦争を始めたこと、戦争の重要な決定を軍人に任せてしまったこと、軍事に疎いために中東の米軍司令官を三回も変えたこと、オバマ大統領と米軍の間には緊張した状態が続いていること、なども指摘されています。

 日高さんは、オバマ大統領は次の誰かがやり直すことができないほどの失敗をやってしまったかもしれない、と述べています。

 オバマ大統領が誕生したとき、アフリカ系の初めての大統領ということで、私はアメリカが変わり、世界が変わるかもしれない、と希望を抱きました。

 しかし、日高さんの見たいまのアメリカの現実はこういうことです。

 今年はアメリカを始め世界の主要国で大統領選挙があります。

 大きな変化があるかもしれません。 

  


 参考文献:『帝国の終焉』 日高義樹 (PHP研究所)
 

 参考ブログ:
 「『最もリアルなアメリカ入門』を読んで」
 http://highlyeffective.naganoblog.jp/e948649.html

 「欧米のシナリオ」
 http://highlyeffective.naganoblog.jp/e948769.html
  

 Hitoshi Yonezu at 10:00  | 読書感想 経済書

『帝国の終焉』を読んで

2012年02月24日

 日高直樹さんのご著書『帝国の終焉』を拝読いたしました。

 日高さんは1935年名古屋市生まれ、東大卒業後、NHKでニューヨーク支局長、ワシントン支局長、アメリカ総局長などを経て、1992年に退職されました。
 その後は、ハーバード大学タウブマン・センター諮問委員、ハドソン研究所主席研究員として日米関係の将来に関する調査・研究の責任者を務めらておられるそうです。

 私はテレビを見ないのでよく分からないのですが「ワシントンの日高直樹です」(テレビ東京系)でもご活躍されているとのことです。

 日高さんは記者時代からアメリカに信頼され、数々の米軍用機に搭乗した経験があり、政府の要人とのつながりも強いようです。実際に見聞きし引き出した発言にはジャーナリストらしい地道さが感じられます。

 この本の要点を私の観点でまとめますと、アメリカは巨大な財政赤字を抱えているために、もはや史上最大の軍事力を維持できなくなっており、その傘下で守られてきた日本は自らの力で自らを守らなくてはいけなくなる、というものです。

 北朝鮮による日本人拉致事件が明るみに出た時、世界の国々は北朝鮮を非難し、拉致された人々に同情したが、日本という国には同情はしなかった。領土と国民の安全を維持できない日本は、国家の義務を果たしていないと見なされた。北朝鮮の秘密工作員がやすやすと入りこみ、国民を拉致していったのを見過ごした日本は、まともな国家ではないと思われても当然だった。

              『帝国の終焉』より引用


 日高さんは、日本は自らを守ることのできる軍事力をもつべきだ、という考え方です。

 アメリカはいまでは日本を守る気がないという事実もあるようです。

 日本はいまやアメリカの植民地ではなく、アメリカと対抗する経済大国になった以上、アメリカの費用で日本に「核の傘」を差し出すのはアメリカにとって得なことではない、というのが現在のアメリカの考え方だ。

               『帝国の終焉』より引用

 
 日高さんはアメリカからの見方を紹介しているので、日本国内の問題には触れていませんが、この線から考えると、在日米軍もそう遠くない未来に撤退する可能性が高いのではないか・・・・・・と考えてしまいます。(この本によれば、2016年6月30日をもって在韓米軍はすべて韓国から引き揚げることになっているそうです。)

 将来起こり得る紛争として、中国が国民の不満を解決するために台湾を攻撃して一致団結すること、また、財政赤字抱えたアメリカが中国の石油タンカーの航行を妨げて中国を挑発すること、を挙げておられます。
 
 私がこのようなシナリオを考えているのは、歴代の大統領がやってきたように、戦争でも起こさない限り処理できないほどアメリカの財政赤字がとてつもない額になっているからである。そしてアメリカが戦争をするとなれば、相手はいまや中国しかない。

               『帝国の終焉』より引用


 恐ろしい話です。ちなみにこの本によるとアメリカのあらゆる財政赤字を足すと100兆ドルを超えているそうです。単純に1ドル=100円とすれば1京円ということになります。

 日本では戦争や軍事の話はタブーとなっていますが、国民としては現実を知り、自ら判断をして意見をもつことが必要だと思います。 
 
 頭の中が暗くなる話ですが、どうかご一読ください。

  


 参考文献:『帝国の終焉』 日高義樹 (PHP研究所)
 

 参考ブログ:
 「『最もリアルなアメリカ入門』を読んで」
 http://highlyeffective.naganoblog.jp/e948649.html

 「欧米のシナリオ」
 http://highlyeffective.naganoblog.jp/e948769.html
  

 Hitoshi Yonezu at 10:00  | 読書感想 経済書

欧米のシナリオ

2012年02月20日

 原田武夫さんの『教科書やニュースではわからない最もリアルなアメリカ入門』より引用します。

 アメリカとの関係で私たち日本人が完全に忘れている一方で、アメリカ人たちがいつも覚えていることがあります。それは第二次世界大戦(太平洋戦争)に負けていないアメリカは「勝ったまま」であり、戦前からの構造をそのまま引きずっている国であるという事実です。

 『教科書やニュースではわからない最もリアルなアメリカ入門』より引用


 敗戦国となった日本はアメリカによって徹底的に改造されてきましたが、戦勝国であるアメリカには「変わるチャンス」がなかったのだそうです。
 
 その結果「いざとなれば戦争をやって経済不況の帳尻を合わせる」という仕組みが肥大化してしまって、歴史上稀に見る「軍産複合体」が幅をきかせる国家になってしまった、と原田さんは述べています。

 外国といえばアメリカのことだけを思うナイーブな国民でいるべきだという戦略にまんまとのってしまった日本はいまだに覚醒せず、いまでも続くというアメリカの占領政策について無意識化されてしまい、疑う心を持てなくなってしまっている、とまでおっしゃるのです。

 元外交官の方がこういうことまで書くというのは相当な想いがあるのだろうなあと思います。

 ここまでいわれると、日本はそんなに丸めこまれてきてしまったのか・・・・・・と暗澹たる気分になります。

 アメリカ式の経済学を一生懸命学んできたことはなんのためだったのだろう?
 何人もの友人たちが学んだMBA、あれもアメリカ式のビジネスパーソンを育てるためか?
 なぜバブル時代に日本はアメリカの不動産を買いあさって失敗したのか?
 バブル崩壊後はなぜハゲタカファンドに儲けさせたのか?

 いろいろ浮かんできます。

 もちろん、戦後の復興はアメリカのガリオア資金やエロア資金があったからですし、戦後も安全保障の傘に中にいることで助けてもらっているのです。 

 ただ、この本を読んで、大きな流れの中で我が国がどのように動いているのか、と考えたときには、欧米の考えたシナリオにあまりにもうまくのりすぎている・・・・・・そんな感じが拭いきれないのです。

  


 参考文献:『教科書やニュースではわからない最もリアルなアメリカ入門』 原田武夫 (かんき出版)
 
  

 Hitoshi Yonezu at 10:00  | 読書感想 経済書

『最もリアルなアメリカ入門』を読んで

2012年02月19日

 原田武夫さんの『教科書やニュースではわからない最もリアルなアメリカ入門』を拝読いたしました。

 原田武夫さんは1971年、香川県生まれ、原田武夫国際戦略情報研究所の代表取締役を務めておられます。
 東大法学部卒業後、外務省の職員となり、12年勤務の後、アジア太平洋局北東アジア課課長補佐(北朝鮮班長)を最後に自主退職をされたのだそうです。

 いまは「すべての日本人に“情報リテラシー”を!」という想いのもと、内外情勢の調査、分析、次世代人材育成などにあたっているそうです。
 
 この本はアメリカという国がどういう経緯で誕生し、これから何をしようとしているのかを、大きな枠組みの中でとらえていくものです。原田さんは外務省を退職して以来、国際社会を考えるベースとして「複雑系としてのアメリカ」を徹底追求してきたそうです。一面では陰謀論的でもあるのですが、著者は「シナリオ・プランニング」という言葉を使っています。

 19世紀後半まで続いたアメリカの西部開拓はその後のアメリカにさまざまな遺産を残しましたが、最も強い影響を残したものは「マニフェスト・デスティニー(manifest destiny/明白なる運命)」というスローガンだったといいます。

 マニフェスト・デスティニーとは「白人入植者による植民地拡大は神の与えた運命である」とするもので、それによればインディアンは奪われて当然の存在だったそうです。
 
 開拓にともない犠牲を被った黒人やインディアンに対して、白人は

 「すべては啓蒙のため、文明開化のためだ。こうなることは明白なる運命なのだ」


 といったのだそうです。

 開拓を通じてマーケットが日増しに拡大していくことを前提としたビジネスモデルが築かれていったというわけです。

 アメリカはずっと戦争をしている国というイメージがありますが、開拓という概念と結びついているのですね。

 いまでは軍と民間の軍需産業が結びついた経済体制が出来てしまっているので、アメリカでは戦争と経済は切っても切れない関係になってしまっています。「軍産複合体」という概念があるくらいですものね。

 歴史、枠組み、シナリオで見ていくと一般的に知られているアメリカとは違った側面が見えてきます。数字やニュースをスポット的に見るのではわからないアメリカがこの本にはあります。
 
 どうぞご参考になさってください。

  


 参考文献:『教科書やニュースではわからない最もリアルなアメリカ入門』 原田武夫 (かんき出版)
 
  

 Hitoshi Yonezu at 10:00  | 読書感想 経済書

『仕組まれた円高』を読んで

2012年02月17日

 ベンジャミン・フルフォードさんの新著『仕組まれた円高』を拝読しました。

 フルフォードさんは1961年カナダ生まれ、カナダのブリティッシュ・コロンビア大学を卒業後、日経ウィークリー記者、米経済誌「フォーブス」アジア太平洋支局長などを経て、現在はフリーランスジャーナリスト、ノンフィクション作家としてご活躍されています。

 前にもフルフォードさんのご本を紹介したことがあります。

 参考ブログ:「『中国元がドルと世界を飲み込む日』を読んで」
 http://highlyeffective.naganoblog.jp/e559963.html

 フルフォードさんの本はいわゆる「陰謀論」ですので、抵抗のある方もおられるでしょう。

 この本には人に話せば「へぇー」といわれるような面白い話がたくさん詰まっていますが、私はすべてをそのまま信じるのではなく、一つの見方として参考にしています。

 日本でドルを印刷しているという話、これは本当なのでしょうか?

 古くから国際通貨としての「ドル」をする権利をもっている地域、団体(国家を含めて)は、二五二存在してきた。米ドルは昔から純粋なアメリカの通貨とはいえず、そうしたアメリカ以外の国や団体、地域でも米ドルの印刷、もしくは銀行のコンピューターに数字として入れる作業が行われてきた。
 たとえば日本に対米黒字があった場合、その分のドルを日本で印刷、ないし入力する。わかりやすい例として、円ドルスポット協定がある。詳細は日銀のサイトにも書かれているが、そこには日本がドルを作っているとはっきり記載されている。

                    『仕組まれた円高』より引用 


 本当に日本でドルが印刷されていたとしたら・・・驚きですよね?

 その他にも・・・・・・日本銀行の大口の株主で支配権を握っているのはロックフェラー家やロスチャイルド家の筋にあたる人だとか、G5の中央銀行を牛耳っているサバタイ派という一派がいるとか、今後はドイツとロシアが中心となって10か国程度の新しいユーロが誕生するとか・・・

 こんな感じでびっくりする話がいっぱいです。読むのは面白いですよ。

 政治経済のアカデミックな本を読むのに疲れたら、一度お目通しくださいませ。
 
  


 参考文献:『仕組まれた円高』 ベンジャミン・フルフォード (青春新書)
 
  

 Hitoshi Yonezu at 10:00  | 読書感想 経済書

お知らせ
Hitoshi Yonezu
P.F.ドラッカーを読む読書ブログです。
 
ささや
< 2025年05月 >
S M T W T F S
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31
インフォメーション
長野県・信州ブログコミュニティサイトナガブロ
ログイン

ホームページ制作 長野市 松本市-Web8