第二次世界大戦後の日本経済の復興は、あくまでも内需の拡大にもとづく成長加速に依存していた。ただ、日本はエネルギー資源、金属資源、食料の輸入依存度が高いので、これらの輸入を借金せずにまかなえるように輸出を伸ばしていたにすぎないのだ。
『そして2014年、日本経済が蘇る』 p274より引用
ただ、高齢化社会は、当然「今から借金をしてまで稼ぐよりは、すでに確保した蓄積が目減りしないようにしたい」と考える人が多い社会でもある。だからこそ、若い人の多い社会がインフレと親和性が高いのと同様に、高齢化社会はデフレとの親和性が高いのだ。
『そして2014年、日本経済が蘇る』 p293より引用
なお、「労働力人口が減少しつづけるとしたら、やっぱり暗い社会だろう」という感想はまちがっている。経済は、希少性の高い資源を大事に使い、希少性の低い資源はそれほど大事にしないという仕組みになっている。労働力人口が減少しつづける環境は、それだけ希少性の高まる勤労者は大事にされ、蓄積が高まっていくらでも使える資本の取り分が目減りしていく社会になる。
『そして2014年、日本経済が蘇る』 p297-298より引用
僕らが調べた限りでは、政府の広報活動には、大きく分けて「行政広報」と「政策広報」の二つがあります。行政広報というのは、何月何日に選挙があるといったような行政上のお知らせ、一方の政策広報というのは、政府が行っている政策に理解や協力を求める広告です。当然ですが、前者は告知広告、後者は意見広告という形になりますね。
このうちの行政広報は、たいていの国では新聞や雑誌を使って広告をしています。が、マスメディアを使って政策広報をしている国は、ないと考えていい。なぜって、政府がやっている、あるいはやろうとしている政策には、国民の間に賛否両論があることが多い。それを一方的な意見広告として出すことは、それも国民の税金を使って出すことは許されないんじゃないか、というわけです。
『成長から成熟へ さよなら経済大国』 p140-141より引用
「地方分権」という言い方も、ちょっと気になる。だいたい「地方」とういのは「中央」の対置語ですね。中央があるから地方がある。地方は中央の下位概念です。民放の地方局がいい例です。あれはほとんどが、中央のキー局の子分みたいになっています。あるキー局に系列局の女子アナが集まって歌をうたったりする番組がありますよね。あれを見ていると、女子アナが全員同じような顔で、同じような言葉を、同じような調子でしゃべっていることにびっくりする。それぞれの地域の匂いが全くしてこないんです。
これが文化の中央集権体制が生んでいることの縮図です。どうしてこうなるか。「地方」だからです。「地域」にしなきゃだめなんです。「地域」の上位概念はありません。しいて言えば「全土」でしょう。
『成長から成熟へ さよなら経済大国』 p194より引用
結局、日銀が金融市場への資金供給をいくら増やしても、体力のない中小企業は恩恵を受けることができません。
つまり、日銀が行う量的緩和は、大企業には有利に、中小企業には不利に働いて、経済格差をますます拡大させる結果をもたらしているわけです。
『「5年後の世界経済」入門』 p166-167より引用
「地方で成功している企業の特徴は、従業員とその家族、そして取引先を、まず大事にすることです。その先に顧客の利益があって、株主の利益は一番後回しにしています」
『「5年後の世界経済」入門』 p190より引用
外貨建てに切り替えた資産はある種の保険として、ずっと外貨建てのまま保有し、運用を続けていくのがよいでしょう。つまり、為替レートの値動きをみていちいち外貨にしたり、円に戻したりするのではなく、ひたすら外貨のまま運用し続ける部分を、自分のポートフォリオのなかに組み込んでしまうのです。
『世界のマーケットで戦ってきた僕が米国株を勧めるこれだけの理由』 p90-91より引用
しかしながら、「超ノマド」は、そもそも市場に求められる高い専門性があり、凡人ではまねできない能力や技能があり、さまざまな国で働くことが可能な語学力(英語)に加え、文化的適応性がある人々のことを指します。要するに、「超ノマド」になることができるのは、たった一握りの才能あふれる人々なのです。
『日本が世界一「貧しい」国である件について』 p101より引用
このような世界では、平凡な人や才能がない人は、アタリが指摘する「下層ノマド」にならざるを得ません。「下層ノマド」とは、グローバル化が進んだことで、会社や仕事が国外に移転してしまい、国内に仕事がなくなってしまったために、仕事を探してさまざまな土地をさまよう人たちのことです。
『日本が世界一「貧しい」国である件について』 p105より引用
(アタリ:フランスの思想家、ジャック・アタリのこと)
ヤンゴン市内に来てみると、韓国人の姿や韓国語の看板が目につくはずだ。それもそのはず。ヤンゴンに住んでいる日本人は700人程度といわれるが、韓国人は1万人以上住んでいる。ミャンマー人の間では、かつての日本のように韓流ドラマが大人気だ。雑誌やCM、市内の看板をみても、韓国人スターが数多く登場している。
『新聞では書かない、ミャンマーに世界が押し寄せる30の理由』 p85より引用
通常、観光は28日間、商用は70日間と滞在期間が定められている。ところが出家修行に関しては、「メディテーション(瞑想)ビザ」という制度があり、ミャンマー国内の僧院からの招待状があれば何年間でも滞在できる。滞在費用も基本的には無料だ(気持ちがあればお布施をすれば良い)。
『新聞では書かない、ミャンマーに世界が押し寄せる30の理由』p128より引用
①鉱業
②農業
③ホテル・観光業
④通信・IT業
⑤株式投資
ヤンゴンの土地は、目下のところバブルではないかと思われるほど高騰しているので、好立地で十分な面積のある用地は少ないが、日本式のビジネスホテルを建てるのに適した300~500坪くらいの物件はたくさんある。1泊70~80ドル前後で泊まれるような、レストランや宴会場のない、コンパクトで設備の整った70室くらいのホテルを作れば、けっこう需要はあるように思うのだが、まだ日系のホテルが進出するといった話は聞かない。
『新聞では書かない、ミャンマーに世界が押し寄せる30の理由』p169より引用
「FRBの金融政策目的には①雇用の最大化、②安定した物価、③中程度の長期金利を保つ、の3つがあり、その実現のために、通貨の信用を保ちつつ『長期的な通貨の増大』をする」となる。
つまり、「雇用の最大化」は、物価や金利のコントロールと並んで、アメリカの中央銀行に法律で課せられた重要な仕事なのである。FRBは「長期的な通貨の増大」をもって雇用を最大化する法的な義務を負っているのだ。
『日本人が知らされていない「お金」の真実』p18より引用
一方で、日本の中央銀行である日本銀行はどうか。日本銀行の設置法である「日本銀行法」には、次のように書いてある。
「第2条 日本銀行は、通貨及び金融の調節を行うに当たっては、物価の安定を図ることを通じて国民経済の健全な発展に資することをもって、その理念とする」
つまり、日本銀行には「物価の安定」だけが課せられており、雇用を増やすといった義務はない。このほか、日銀法のどの条文を読んでも、「雇用」については一切触れられていないのだ。
しかし世界では、「雇用」について中央銀行が責任を負うのはむしろ一般的である。日本銀行は、「雇用」についてまったくなんの責任もない、世界でも珍しい中央銀行なのだ。
『日本人が知らされていない「お金」の真実』p20より引用
日本国債は国内からの資金で九二%まかなわれています。この比率が三〇%から四〇%にはならないと、まず海外投資家からの売り圧力は発生しないでしょう。
皆さんの預金が国債購入にまわっているわけですから、この九二%の比率を下げるためには、日本国民が一斉に預金を銀行から引き出し、タンス預金にするか、外貨預金をしなければなりません。一斉にです。
『世界のお金は日本を目指す』 p51より引用
むろん、今後何年先になるかわかりませんが、政治が相変わらず機能不全のまま国の借金がずっと増え続ければ、日本国債の海外の保有比率が上がり、日本の財政問題を取り上げて攻撃される場面が訪れるかもしれません。
しかし、それまで相当の余力と時間があるにもかかわらず、国家破綻や財政危機を闇雲に訴えるのはとてもおかしなことです。
『世界のお金は日本を目指す』 p52より引用
一九九〇年代は四〇兆円だったものがいまや当時の三倍である一二〇兆円に迫る勢いです。ここ一〇年余り、介入が実施されなければ八〇兆円近くの財源が確保できたわけです。効果のないものにこれだけの資金を投じるのですから、異常です。
『世界のお金は日本を目指す』 p70より引用
ゼロ成長を目指す歓迎するということは消極的な政策ではありません。船の例で言うと、ただエンジンを止めて何もしない、ということではなく、逆に経済成長よりもはるかに面白いプロジェクトを積極的に取り上げることを意味します。物質的な豊かさではなく、本当の意味での豊かさを求める社会、そして正義に基づいた社会をどうやって作るか。経済成長とはまったく別の、もっとずっと面白い歴史的なプロジェクトを推進することになると思います。
そういう社会を求める過程を、私は暫定的に「対抗発展」(カウンター・デヴェロップメント)と呼んでみたいと思います。
『経済成長がなければ私たちは豊かになれないのだろうか』より引用
それでは、なぜ子供のライフサイクルも考えるのでしょうか。それは結局のところ、子供の満足度が自分の満足度に含まれているからです。つまり、子供が嬉しければ、自分も嬉しいと感じるからでしょう。そこから、かなりの金額を遺産で残す理由が説明できます。これがバロー教授の唱えたダイナスティー(王朝)・モデルです。
見方を少し変えて言い換えれば、あれだけ多くの遺産が残されるということは、かなりの人たちが将来世代の満足を、(部分的にせよ)自分の満足として生活していることの証拠だと思います。
『元気と勇気が湧いてくる経済の考え方』より引用
自分の人生より先を見据えることによって、いくらでも目標を設定することができる。
『元気と勇気が湧いてくる経済の考え方』より引用
いつでも、必ず、やり直せる!
どんなときでも、追うべき目標はあるのだ。
『元気と勇気が湧いてくる経済の考え方』より引用
価格で調整しているからといって、それは必ずしも金持ちを優遇する、金銭のみを重要と考える価値観に基づいているとは限らないという点も、重要なポイントです。どうしてもラーメンが食べたいというおじいちゃんを救いたいために、お金を払っているというのは、必ずしも価格第一主義だったり、拝金主義だったりするわけではないのです。
『元気と勇気が湧いてくる経済の考え方』より引用
アメリカは世界覇権国である以上、世界のモノすべてをドルという自国通貨で買える。ということは、アメリカにとって世界は全部国内市場であり、国際間の取引を「貿易」と呼ぶなら、アメリカはそれをしていないのである。
さらに、ここで重要なのは、世界経済に決定的な影響を持つ石油は、事実上ドルでしか取引できないことだ。旧イラクやイラン、そしてロシアなどが石油取引を一部ユーロにしたことがあるが、ほぼすべての国で石油代金の決済はドルで行われている。
このドルでないと石油は買えないという点は大きく、ドルを刷れば石油を手に入れられることにおいて、アメリカドルは最強の通貨であり、アメリカの覇権は揺るがないのである。
『円が消滅する日』より引用
「商店街」という理念は評価できるが、それを担う主体に問題があったというのが、私の立場である。
こうした立場を、人によっては、「商店街」という過去の成功事例に対する単なる郷愁や憧憬であると判断するかもしれない。
しかし、わたしはそれに対しては、次のように反論したい。
最終章でとくに論じていることであるが、わたしは、過去の共同体を復活させるためではなく、生活保障となるべき地域の拠点として、商店街を定位したいと思っている。
『商店街はなぜ滅びるのか』より引用
1.保守政党と政治的な結託をした商店街が恥知らずの圧力団体になった。
2.専門店を地域につくるという目的があったが、行政による免許付与は専門性とは関係なく行われた。
こうしたドロ沼の状況から抜け出すためにも、地域単位で協同組合が商店街の土地を所有し、意欲ある若者に土地を貸し出すとともに、金融面でもバックアップするという仕組みがつくられるべきであろう。
『商店街はなぜ滅びるのか』より引用
人の親切を悪用して利益を得ようとする老女もひどいが、その話を聞いて「下手に助けたら損をするから」と、倒れている老人を見捨てる中国人も徹底している。「良心」とか「恩を感じる」ということは、どうでもいい世界になっている。
『中国人の正体』より引用
「間違いなく自分で倒れました。みなさんの責任ではないから、助けてください」
『中国人の正体』より引用
オバマ大統領の経済政策は、明らかに失敗に終わった。失業者の数はオバマ大統領が就任して以来、二倍の一五〇〇万人に膨れ上がり、住宅の値段は依然として下がり続けている。専門家たちはアメリカの住宅の値段は二〇一五年にならないと下げ止まらないと見ている。そのうえアメリカの財政赤字は恐ろしいほどのスピードで増え続けている。
『帝国の終焉』より引用
「大統領は当選してホワイトハウスに入るまでは党の代表である。だが、いったんホワイトハウスに入れば、アメリカ国民すべての代表になる」
オバマ大統領はこのアメリカ政治のルールが分かっていない。ホワイトハウスに入ってからもオバマ大統領は野党共和党やその政治家たちを「憎い敵」と見なしている。国民を全体的に見ようという気持ちを持っていないのである。
『帝国の終焉』より引用
友人のアメリカ人ジャーナリストが私にこう言ったことがある。
「オバマ大統領は、あまりにも貧しい子供時代を過ごしたために、借金は返さなければならないという、社会の基本ルールが分からなくなってしまった」
『帝国の終焉』より引用
アメリカの保守系雑誌『ウィークリー・スタンダード』が次のように指摘している。
「オバマ大統領は子供の時、父親に捨てられたため、人に助けてもらいたいという願望が強い。このため自ら決定することができなくなった」
『帝国の終焉』より引用
北朝鮮による日本人拉致事件が明るみに出た時、世界の国々は北朝鮮を非難し、拉致された人々に同情したが、日本という国には同情はしなかった。領土と国民の安全を維持できない日本は、国家の義務を果たしていないと見なされた。北朝鮮の秘密工作員がやすやすと入りこみ、国民を拉致していったのを見過ごした日本は、まともな国家ではないと思われても当然だった。
『帝国の終焉』より引用
日本はいまやアメリカの植民地ではなく、アメリカと対抗する経済大国になった以上、アメリカの費用で日本に「核の傘」を差し出すのはアメリカにとって得なことではない、というのが現在のアメリカの考え方だ。
『帝国の終焉』より引用
私がこのようなシナリオを考えているのは、歴代の大統領がやってきたように、戦争でも起こさない限り処理できないほどアメリカの財政赤字がとてつもない額になっているからである。そしてアメリカが戦争をするとなれば、相手はいまや中国しかない。
『帝国の終焉』より引用
アメリカとの関係で私たち日本人が完全に忘れている一方で、アメリカ人たちがいつも覚えていることがあります。それは第二次世界大戦(太平洋戦争)に負けていないアメリカは「勝ったまま」であり、戦前からの構造をそのまま引きずっている国であるという事実です。
『教科書やニュースではわからない最もリアルなアメリカ入門』より引用
「すべては啓蒙のため、文明開化のためだ。こうなることは明白なる運命なのだ」
古くから国際通貨としての「ドル」をする権利をもっている地域、団体(国家を含めて)は、二五二存在してきた。米ドルは昔から純粋なアメリカの通貨とはいえず、そうしたアメリカ以外の国や団体、地域でも米ドルの印刷、もしくは銀行のコンピューターに数字として入れる作業が行われてきた。
たとえば日本に対米黒字があった場合、その分のドルを日本で印刷、ないし入力する。わかりやすい例として、円ドルスポット協定がある。詳細は日銀のサイトにも書かれているが、そこには日本がドルを作っているとはっきり記載されている。
『仕組まれた円高』より引用
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