小飼弾さんの『本を読んだら、自分を読め 年間10,000ページを血肉にする”独自”の技術』を拝読いたしました。
小飼さんは1969年生まれ、月間100万ページビューを誇るブログ「404 Blog Not Found」で有名なアルファブロガーですね。
この本は主に20歳代の若い人向けに、読書の効用と方法を伝授してくれるものです。私向けではないかな、とは思いましたが、小飼さんのならでは厳しい言葉を期待して読んでみました。
小飼さんらしく「上から目線」といいますか、自信たっぷりの文章です。書いてあることは明快ですので、1時間もあれば読めてしまいます。
章の終わり毎に、目利き書店員さんの「人生をあと押ししてくれたこの一冊」というコーナーがあり、十冊のおもしろそうな本が紹介されています。
冒頭に、大前研一さんの言葉が引用されています。
「自分を変えるには3つしかやり方がない。1つは場所を変える。2つめは時間の使い方を変える。そして誰と付き合うかを変える」
(『時間とムダの科学』プレジデント社)
小飼さんは、本を読むということはこの3つすべてに該当する行為である、と述べています。
本を読まない人への批判は強烈です。
しかし、本を読んでいない人、つまり教養のない人の話というのは、往々にして中身が空っぽであることが多い。たまに話術だけは司会者並みに巧みな人がいて、話を聞いていると、勢いでなんとなくみんな笑ってしまい、その場は盛り上がるものの、家に帰ると何をしゃべったのかまったく覚えていない、ということがよくあるものです。
その点、本を読んでいる人の言葉は、宴が終わった後にも心に残る。僕などはそういう人と言葉を交わすと、「この人のことをもっと知りたい」という願望がわいてきます。
『本を読んだら、自分を読め』 p168より引用
読書量が多くでも、ビジネス書しか読まない私のような人へは次のような指摘をされます。
しかしこういう人たちが、ビジネス書以外の本を読むかというと、あまり読まない人が多いのが残念です。仕事が忙しいというのが、いちばんの理由でしょうが、話を聞くと「小説などのフィクションを読んでもそのまま自分の利益にならないから」という理由で、他の本を一切読まない人が多いようです。
これは貧しい。何が貧しいといって、何が自分の利益になるのかということを、自分は全部知ったつもりでいるというのが貧しい。
『本を読んだら、自分を読め』 p30より引用
2時間で20冊読んでしまう(p42)という小飼さんの読書量にはとうていかないません。
開き直っていて自由すぎるのがこの本の少しいやなところです。まあ、これも自分が出来ないからという、半分は私の妬みによる感想といえます。
読書が苦手な方は、この本を読んで小飼さんに叱られてみてください。
明日からお盆ですね。新盆の方はどうぞ心安らかなお盆になさってください。休暇の方は楽しくお過ごしください。お盆中はブログはお休みします。

参考文献:『本を読んだら、自分を読め 年間10,000ページを血肉にする”独自”の技術』
小飼弾 (朝日新聞出版)
参考ブログ
『新書がベスト』を読んで
http://highlyeffective.naganoblog.jp/e511497.html
日経新聞の『読書の達人』おもしろいよ~
http://highlyeffective.naganoblog.jp/e215558.html
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