経営憲章
2024年12月08日
今年もいよいよ押しつまり、みなさまにおかれましては、お忙しくお過ごしのことと存じます。
日頃は大変お世話になっております。誠にありがとうございます。
このブログでは、ドラッカーの『現代の経営(上)』を読んでおります。
今回は「第13章 組織の文化」の「マネジメントの理念」の節からご紹介します。
コンチネンタル製缶の制度が最もよくできている。同社では経営管理者が、自分や自分の仕事に影響のある重大な決定については、社長や取締役会長に直接訴えることができる。もちろん実際に社長や会長という、いわば最高裁にまで話が行くことはほとんどない。すべてではないにしても、ほとんどの訴えは、はるか下の最初の事情聴取の段階で片づく。 しかし、トップマネジメントに訴える権利があるということは、マネジメント全体に対し強い影響を与えている。決定を行う経営管理者は慎重に検討せざるをえない。 重大な決定をされる部下のほうも、偏見やばかげた判断の犠牲にならずにすむようになっていると感じている。
だが、それらの防止策よりも、マネジメントが正しい組織の文化を確保しようとしていることを示す行動をとるほうが、はるかに重要である。そのための簡単な方法は、すべての経営管理者に対し、次のようなメッセージを伝えるような行動をとることである。
「組織の文化は組織全体の問題である。自らが率いる部門において、優れた組織の文化をつくるために何をしているかを考えてほしい。また、自らが属している上位の部門において優れた組織の文化を生むために、上位の部門全体のマネジメントが何ができるかを教えてほしい」
このように、一人ひとりの経営管理者とその上司の行動について、常時点検させることが効果をもたらす。組織の文化を向上させるうえで大きな役割を果たす。トップマネジメントが口先でなく本気であることを知らせる。組織の文化への意欲を生み出す。
『現代の経営(上)』 p217-218より引用
メッセージ(太字)の部分、原書では次のように書かれています。
“The spirit of this organization is the business of every one of us. Find out what you are doing to build the right spirit in the unit you head and tell us, in higher management, what we can do to build the right spirit in the unit of which you are a part.”
ちなみにこの節の名称は、日本語では「マネジメントの理念」となっていますが、原書では"The Management Charter"(経営憲章)です。企業がどのような経営を行うのかを明らかにする文書の意味です。
経営理念をはじめとして、大切なことは、いくら伝えても、伝えすぎたということはありませんし、むしろ、何度繰り返しても、なかなか伝わりません。
経営理念を実行するためにどんなことをしていますか?また、そのために上位の者は何をしたらよいですか?という質問を常に問いかけておく必要があるわけです。
言わないでいると、経営理念と全く違うことが平然と行われてしまうことがあります。
もっともっと言っていかないと、伝わらないです。私ももっとがんばります。
いつもご利用ありがとうございます。
みなさま、どうぞよいお年をお迎えください。新年がみなさまにとりまして、ますます幸せな年となりますことを心より祈念いたします。
参考文献:
『現代の経営[上]』 P.F.ドラッカー (ダイヤモンド社)
https://www.amazon.co.jp/dp/B0081M7YFS/ref=nosim?tag=shachouinshin-22
"The Practice of Management" Peter.F.Drucker HarperCollins e-books
https://www.amazon.co.jp/dp/B003F1WM8E/ref=nosim?tag=shachouinshin-22
米津仁志 at 13:47
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