『新聞では書かない、ミャンマーに世界が押し寄せる30の理由』を読んで

2013年10月02日

 松下英樹さんのご著書『新聞では書かない、ミャンマーに世界が押し寄せる30の理由』を拝読いたしました。

 松下さんは1964年静岡市生まれ、早稲田大学商学部をご卒業され、参議院議員秘書を経て、1999年静岡市にPCスクール運営会社、オックスクラブ・ドット・コムを設立されました。1990年からミャンマーに通い始め、現地での会社の経営を通じて人脈を広げていったそうです。2013年1月、日系初のベンチャーキャピタル、バガン・インベストメント社を設立し、取締役執行役員に就任されています。

 この本は成長が見込まれるミャンマーについて、政治経済や社会について、いまの様子を伝えてくれるものです。

 私はこの7月に視察旅行で初めてカンボジアのプノンペンに行きました。混沌としている中で今後経済は成長していくに違いない、という雰囲気をひしひしと感じることができました。ミャンマーのヤンゴンとはさまざまな面で事情が違いますが、この本を読みながらヤンゴンの街はプノンペン同様に活気であふれているのだろう、と想像しておりました。

 プノンペンの町では、ときどきハングル文字を見て、多くの韓国人が進出していることを感じましたが、ヤンゴンでも同じ様子らしいです。

 ヤンゴン市内に来てみると、韓国人の姿や韓国語の看板が目につくはずだ。それもそのはず。ヤンゴンに住んでいる日本人は700人程度といわれるが、韓国人は1万人以上住んでいる。ミャンマー人の間では、かつての日本のように韓流ドラマが大人気だ。雑誌やCM、市内の看板をみても、韓国人スターが数多く登場している。
 
 『新聞では書かない、ミャンマーに世界が押し寄せる30の理由』 p85より引用
              
 
 ミャンマーのビザには、面白い制度があるそうです。

 通常、観光は28日間、商用は70日間と滞在期間が定められている。ところが出家修行に関しては、「メディテーション(瞑想)ビザ」という制度があり、ミャンマー国内の僧院からの招待状があれば何年間でも滞在できる。滞在費用も基本的には無料だ(気持ちがあればお布施をすれば良い)。

 『新聞では書かない、ミャンマーに世界が押し寄せる30の理由』p128より引用


 ミャンマーで今後有望なビジネスは次のようなものだそうです。

 ①鉱業
 ②農業
 ③ホテル・観光業
 ④通信・IT業
 ⑤株式投資


 ヤンゴンではホテル不足が続いており、ヒルトンやノボテルなど世界的なホテルチェーンやタイやマレーシアのホテル運営企業が続々と進出してきて、急ピッチで工事を進めているそうです。

 ヤンゴンの土地は、目下のところバブルではないかと思われるほど高騰しているので、好立地で十分な面積のある用地は少ないが、日本式のビジネスホテルを建てるのに適した300~500坪くらいの物件はたくさんある。1泊70~80ドル前後で泊まれるような、レストランや宴会場のない、コンパクトで設備の整った70室くらいのホテルを作れば、けっこう需要はあるように思うのだが、まだ日系のホテルが進出するといった話は聞かない。

 『新聞では書かない、ミャンマーに世界が押し寄せる30の理由』p169より引用

 
 東南アジアへいくといずれの国でも中国や韓国の資本が進んでいることを感じます。東南アジアは日本の資本にとっても大きなチャンスだと思います。

 ミャンマーにご興味のある方はご参考になさってください。 

  


 参考文献:『新聞では書かない、ミャンマーに世界が押し寄せる30の理由』
                    松下英樹 (講談社+α新書)
 


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