『資産フライト』を読んで

2011年11月07日

 金融の世界では、国内から海外へ資本が一斉に流出する資本逃避のことを「キャピタルフライト」というそうです。

 キャピタルフライトが起こるのは、その国の経済の先行きが暗く、財政破綻が懸念され、インフレの危険が高まったときです。

 日本はいままさにその状態だ、と指摘する識者もいますね。

 山田順さんのご著書『資産フライト 「増税日本」から脱出する方法』によれば、昨今、日本の富裕層の中にも海外に資産を移す人が増えているのだそうです。

 山田さんは、資産を海外に移して、海外で運用することを「資産フライト」と呼んでいます。

 この本は、資産フライトをする富裕層を実際に取材し、日本から資産が流出してしまう理由を、税制、政治、教育など様々な観点から明らかにしています。

 『「増税日本」から脱出する方法』という副題がついていますが、具体的なノウハウが書かれているのではなく、あくまでも日本から資産が流出する状況をとらえたルポルタージュです。

 山田さんはもともと光文社で週刊誌や本の編集をされていた方だそうで、とても読みやすい文章です。

 構造的に資産流出をさせてしまっている政府に対しては大変厳しい指摘をされています。

 善良な日本国民が生活に必要な円建て資産をもっているということだけで知らず知らずのうちに資産を減らしてしまうとしたら、悲しいことですね。

 ご興味のある方はご参考になさってください。

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 参考文献:『資産フライト 「増税日本」から脱出する方法』 山田順 (文春新書)
  

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