東京に行くと1時間近く待たなければ入れない大人気のラーメン屋さんがありますね。
そんなに並んでいるのならおいしいのだろうなあ~入ってみたいなあ~と思いますが、それに費やす時間を考えたら諦めてしまいます。
時間に余裕があった大学生の頃は、よく並んでラーメンを食べました。
仕事をもっているいまは並んで待つ間に発生する機会費用がありますから、並べなくなってしまったのです。
新幹線のグリーン車のように、同じ目的を果たすのでも特別な料金を払えば優遇してもらえる制度があったら食べられるのにね・・・・・・と思います。
普通の行列の横に、特急の行列をつくって、こちらはプラス300円ですが、順番は早く回りますよ・・・とか。
柳川範之さんのご著書『元気と勇気が湧いてくる経済の考え方』より引用します。
価格で調整しているからといって、それは必ずしも金持ちを優遇する、金銭のみを重要と考える価値観に基づいているとは限らないという点も、重要なポイントです。どうしてもラーメンが食べたいというおじいちゃんを救いたいために、お金を払っているというのは、必ずしも価格第一主義だったり、拝金主義だったりするわけではないのです。
『元気と勇気が湧いてくる経済の考え方』より引用
おじいちゃんが「どうしてもあの行列のラーメンを食べたい」といったときに、特急レーンがあれば、なんの問題もなくラーメンを食べることができます。
緊急医療の世界ではトリアージ(識別救急)といって、症状によって治療の優先度を決める方法も行なわれています。この場合はお金ではなくて、症状の重症度と緊急度によって順番を決めている訳です。
順番を決めるにも経済学の論理が関係しているのです。
柳川範之さんの『元気と勇気が湧いてくる経済の考え方』には、現実に起こっている問題が経済学の論理を使って分かりやすく説明されています。
経済学というと効率の話ばかりが強調されがちですが、規範的命題も当然含まれています。
興味深い本です。どうぞご一読くださいませ。

参考文献:『元気と勇気が湧いてくる経済の考え方』 柳川範之 (日本経済新聞出版社)
参考ブログ:「『ラーメン二郎に学ぶ経営学』を読んで」
http://highlyeffective.naganoblog.jp/e623802.html
Hitoshi Yonezu at 10:00
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