白取春彦さんの『頭がよくなる思考術』より引用します。
わたしたちは自由でありながら、習慣というもので自分を縛っていることがある。あるいは、効率というもので行動を制限していることがある。
目的地に行くまで最短の特急に乗る必要もない。本を手に各駅停車の電車に乗ってもいいのだし、わざと遠く迂回して乗り継いで行ってもいいのである。
気分がよければ歌いながら歩いてもいいし、暑いのならば下駄で歩く自由もあるのだ。パンツをはかなくたっていいし、髭をそらなくてもかまわないし、土手で昼寝をしてもいいのである。世間の話題を知らずにいる自由もあるのだ。
『頭がよくなる思考術』より引用
いわれてみれば当たり前のことなのに、さて自分の行動は?となると、かなりの程度、悪い習慣と効率を高めることに制限されているのです。
仕事は効率を求める世界ですので、効率に支配される面があってもよいのですが、私の場合は仕事=実生活になってしまっていて、効率が自分の生活にも制限をかけていることに気がつくのです。
家でもラジオのニュースを聞きながら、ジュースをつくりながら、紅茶のお湯を沸かしながら、洗濯機を回しながら、iPhoneを片手に社員からの日報を見ている自分がいます。
漫然と過ごすよりはよいはずですが、ときには適当にやってしまおう・・・・・・と思うことがあります。
取引先の社長さまと仕事で大阪から東京へご一緒したことがありました。
週末だったせいか新幹線が大変混み合っていて、のぞみ号に空席が全くありませんでした。
各駅停車のこだま号は空いていたのです。新大阪から東京まで、のぞみ号なら約2時間30分のところ、こだま号は約4時間もかかります。
仕方ないのでこだま号で行こう、ということになりました。
こだま号は止まっては動き、止まっては動き、牛歩の歩みです。ときどきのぞみ号を先にいかせるための長い停車もするので、新幹線に乗っていることを忘れてしまうほど時間の流れが遅かったのです。
でも、こだま号に乗ってよかったと思ったことがありました。
富士山がよく見えたのです。
掛川から静岡、新富士、三島あたりを走行しているとき、駅の前後を徐行しているとき、停車中の駅のホームからも、いろいろな形の富士山が見えました。
信州の盆地に住む私が見たことのなかったいろいろな角度の富士山でした。
仕方なくこだま号に乗ったことが新たな発見をもたらしてくれました。
無理にでも行動を変えないと、なかなか見えてこないものがあるのだなあ・・・・・・と思ったことです。

参考文献:『頭がよくなる思考術』 白取春彦 (ディスカヴァー・トゥエンティワン)
参考ブログ:
「『頭がよくなる思考術』を読んで」
http://highlyeffective.naganoblog.jp/e846795.html
「他人の思惑」
http://highlyeffective.naganoblog.jp/e847566.html
「雑用は丁寧に」
http://highlyeffective.naganoblog.jp/e847812.html
「やさしさをもって読む」
http://highlyeffective.naganoblog.jp/e857182.html
「感情に酔わない」
http://highlyeffective.naganoblog.jp/e858836.html
「果てのない欲望」
http://highlyeffective.naganoblog.jp/e859883.html
「心配すると」
http://highlyeffective.naganoblog.jp/e862877.html
「自分のしたいことをせよ」
http://highlyeffective.naganoblog.jp/e896996.html
「頭のカタさ」
http://highlyeffective.naganoblog.jp/e899680.html
Hitoshi Yonezu at 10:00
| 読書感想 人生