手を合わす

2010年05月12日

 客が食べ終わって出て行く後ろ姿に、しんそこ、ありがたく手を合わせて拝むような心持ち、そんな心持ちのうどん屋さんは、必ず成功するのである。
 こんな心がけに徹したならば、もちろん、うどんの味もよくなってくる。一人ひとりに親切で、一ぱい一ぱいに慎重で、湯かげん、ダシかげんにも、親身のくふうがはらわれる。

                  松下幸之助 『道をひらく』より引用




 松下幸之助さんは、ご説明するまでもなく、我が国を代表する大企業、パナソニック(旧松下電器)の創業者です。

 そんな松下さんが、小さなうどん屋さんを引き合いに出されています。

 創業された当初は、きっと、このうどん屋さんのように、小さいながらも、堅実にご商売をされていたのだろう・・・松下さんのお客さまに対する心持ちがよくわかる文章です。

 私の商売もうどん屋さんと同じような商売です。
 
 お客さまは、たくさんのお店があるなかで、うちを選んでくださって、わざわざお出ましくださる。本当にありがたいことです。

 せっかく来てくださったお客さまにはご満足して頂けるように、一生懸命働きます。

 そして、お客さまと接する者も、お客さまから見えない場所にいる者も、来てくださってありがたいとお客さまに手を合わせて、感謝する。そういう気持ちをもっともっと大切にしたいと思います。

 ブログを見てくださってる皆さま方には、いつも大変お世話になっております。誠にありがとうございます。
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 参考文献:『道をひらく』 松下幸之助 (PHP研究所)
   

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おろそかにしない

2010年05月11日

 些細なこと、平凡なこと、それを積み重ね積み重ねきて、そのうえに自分の知恵と体験とを加えてゆく。それではじめて、あぶなげのない信頼感が得られるというものであろう。 
 賽の河原の小石はくずれても、仕事の小石はくずれない。

                     松下幸之助 『道をひらく』より引用


 「凡事徹底」という言葉があるくらいですから、凡事を徹底することは本当に難しいことです。

 当たり前のことをコツコツと続けるということは、できそうでなかなかできないのです。

 うちの社内でも、いまだにこういう基礎的なことをおろそかにして、お客さまにご迷惑をおかけしてしまうことがあります。
 
 社内で決まっているルールを守らないということは、社会であれば法を守らないのと同じことです。
 
 自分は慣れているから大丈夫と勝手に思いこんで、決められたことを守らないのは、慢心しているともいえます。
 
 うちの社員たちには、常に謙虚な気持ちで、地道に仕事を進めてほしいと思います。

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  参考文献:『道をひらく』 松下幸之助 (PHP研究所)
   

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けじめが大事

2010年05月10日

 朝起きて顔を洗ったら、まず仏前にすわって手を合わす。一家そろって手を合わす。たとえ線香の一本でもよい。これで朝のけじめがつく。夜ねるときもおなじこと。夜は夜で、キチンとけじめをつけねばならない。別に形にとらわれる必要はないけれど、一日のけじめはこんな態度から生まれてくる。何ごとをするにも、けじめがいちばん大切で、けじめのない暮らしはだらしがない。

                           松下幸之助『道をひらく』より引用


 子供のころ、祖父母がお仏壇やご神前に手を合わす姿を毎日のように見ていた。お盆とか、お彼岸とか、お正月とか、特別のときには一緒に手を合わせた。それ以外のときには、ただその背中を眺めていた。

 仏さまや神さまにお参りすると、どうなるのだろう。何が起こるのだろう。どんな力がつくのだろう。すべてがうまくいくようになるのかな。
 そんなことに興味があった。


 お祈りする意味が分からなかったにせよ、子供のころにそういうものを見て育ったから、いまも仏さまや神さまにお祈りすることに抵抗がない。逆に、できないでいると、気持ちが悪くなる。


 松下さんは、お仏壇に手を合わすことを、宗教的にとらえないで、けじめだとおっしゃった。躾の一部だということだ。

 仏壇に手を合わすことは、昭和40年代くらいまでは、日々の、普通の生活だったに違いない。

 いまではこういう話はお嫌いな方も多く、本当は、話すのははばかれることだ。私も特別におすすめするものではない。

 いまの生活で、自分への躾として、何をけじめにするのか。それだけはもっておきたいと思った。

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人事をつくして

2010年05月09日

 私心にとらわれることなく、人としてなしうるかぎりの力をつくして、そのうえで、静かに起こってくる事態を待つ。それは期待どおりのことであるかもしれないし、期待にそむくことであるかもしれない。しかしいずれにしても、それはわが力を越えたものであり、人事をつくしたかぎりにおいては、うろたえず、あわてず、心静かにその事態を迎えねばならない。そのなかからまた次の新しい道がひらけてくるであろう。
   
                     松下幸之助『道をひらく』より引用


 永い人生です。いろいろなことがあるのは、当然でありましょう。

 楽しいとき、うれしいとき、悔しいとき、悲しいとき、辛いとき、頭にくるとき、恐ろしいとき、・・・

 いずれのときも、しばしその感慨にひたったら、気持ちを切り替えて、最善の結果になるように、力をつくして行動します。

 考えられるすべてをやりきったなら、あとは結果を待つだけです。

 やりきったのですから、もう昨日のことや明日のことを悩んでもどうしようもないですし、悩む必要もありません。
 
 すぐに次のことがやってきますから、そちらのことに集中したほうがよいでしょう。

 いまは、いま出来ることに一生懸命になりたいと思います。
 
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日本よい国

2010年05月03日

 春があって夏があって、秋があって冬があって、日本はよい国である。自然だけはでない。風土だけではない。長い歴史に育まれた数多くの精神的遺産がある。その上に、天与のすぐれた国民的素質。勤勉にして誠実な国民性。
 日本はよい国である。こんなよい国は、世界にもあまりない。だから、この国をさらによくして、みんなが仲良く、身も心もゆたかに暮らしたい。

                      松下幸之助 『道をひらく』より引用


 
 このところしばらく、日本がよい国だという話を聞いたことがなかった。
 
 国のことを話しだせば、よいことが一つも出てこない。現在の不満と、将来への不安ばかりが出てくる。

 松下幸之助さんの『道をひらく』は、昭和43年にまとめられたものだ。当時の日本は、今から考えれば、発展の途上にあり、混沌としていて、それぞれに大きな夢があったことだろう。

 にもかかわらず、この本の中のいくつかの文章を読むと、決して楽観しておらず、国の将来を心配するかのような記述にであう。松下さんは、深く先を読んでいた。いけいけどんどんではなかったのだ。

 いまはたいへんな時代?

 その通り、大変な時代だ。

 でも、歴史を紐解けば、いつの時代も大変な時代だった。

 大変だからこそ、何を芯にして生きていくか、どういう信念で生きるのか、そういう、人格の底を流れる太いものが必要なのではなかろうか。ちゃらちゃらとしてはいられないということだ。

 引用した文章は淡々としているが、日本への愛情と、深いところでみなぎる自信と、洋々たる夢が感じられた。

 我々には、いま、胸をはって自信がある、といえるものがあるだろうか。
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困難にぶつかったら

2010年04月30日

 おたがいに、いっさい何の不安もなく、危険もなければ心配もなく、したがって苦心する必要もなければ努力する必要もない、そんな境遇にあこがれることがしばしばある。しかしはたしてその境遇から力強い生きがいが生まれるだろうか。
 やはり次々と困難に直面し、右すべきか左すべきかの不安な岐路にたちつつも、あらゆる力を傾け、生命をかけてそれをきりぬけてゆく-そこにこそ人間としていちばん充実した張りのある生活があるともいえよう。
 困難に心が弱くなったとき、こういうこともまた考えたい。

                    松下幸之助『道をひらく』より引用


 会社の経営をしていると、困難にぶつかることはよくある。ときには、本当にがっくりしてしまうようなこともある。

 しかし、会社経営であろうと、人生であろうと、誰にでも困難はやってくる。
 
 松下幸之助さんがおっしゃるように、何の不安もない人生からは、何も生まれてこないのだ。
 
 困難なときこそ、チャンスだと感謝し、力を発揮するのだ。

 そういうときには、慌てても事態は変わらないから、どう考え、行動するかだけである。

 辛いとき、困ったときこそ、
 
 「いまは大変だけど、これこそが人生なんだ。ここを乗り越えていこう。」
 
 「いまこそ人生の本番だ、自分の出番だ!」

 と考えるようにしたい。

 そう考えても、考えなくても、表面的には事態に変化はないから、どうせそういうことなら、よい方向にとらえ、前向きに考えよう。
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サービスする心

2010年04月28日

 与え与えられるのが、この世の理法である。すなわち、自分の持てるものを他に与えることによって、それにふさわしいものを他から受けるのである。これで世の中は成り立っている。
 だから、多く受けたいと思えば、多く与えれば良いのであって、充分に与えもしないで、多く受けたいと思うのが、虫のいい考えというもので、こんな人ばかりだと、世の中は繁栄しない。
 (中略) 
 お互いに繁栄の社会を生み出すために、自分の持てるもので、精いっぱいのサービスをしあいたいものである。

                    松下幸之助『道をひらく』より引用



 松下幸之助さんのおっしゃる「サービス」というのは、すべてを無料でささげないということを言っているのではないと思います。

 無料であろうと、有料であろうと、自分の力を出し惜しみせずに、最大に発揮して人の役に立ちなさいということだろうと、私は解釈しております。

 似たような思想として、ロータリークラブには、職業奉仕という考え方があります。自分の仕事に一生懸命向き合っていくことによって、社会に貢献していくというものです。

 お客さまのこと、相手のことを真剣に考えて、お役に立てるように自らどんどん動いていく。この辺でやめておこう、ここはどっちでもいいや、といい加減にしない。

 あの会社はすごく業績がよい、と評価されるよりも、あの人たちは本当に一生懸命やってくれる、親身になって働いてくれる、と評価されるほうがずっとうれしいですね。
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