辛坊治郎さんの『日本経済の真実』を読んで

2010年07月06日

 辛坊治郎さんといえば、テレビで有名なニュースキャスターだそうですね。私はテレビを見ないので、番組でのご活躍はよくわかりませんが、皆さまはご存知でしょうか。

 昨年、ある企業の記念式典でご講演を拝聴したことがあります。

 参考ブログ:『ある企業の記念式典にて』
 http://highlyeffective.naganoblog.jp/e404148.html

 その講演では、特に日本の財政について大きな憂いを抱いておられたことが印象に残っています。

 その辛坊さんが、シンクタンク系列会社社長である、お兄さんの正記さんと共に書かれたのが、『日本経済の真実 ある日、この国は破産します』です。

 簡単にまとめてしまいますと、日本の財政は危機的状況であり、破綻してもおかしくない状態にあるということ、そして財政が破綻すると大増税かハイパーインフレーションがやってくるということです。しかも、ギリシャの財政問題の時のように、破綻しても助けてくれる国もありません。

 日本の国債はほとんどが国内消化だからまだ大丈夫だとか、1400兆円の個人の預貯金があるから大丈夫だとか、よく言われている反論を一つ一つ論破しています。

 参考ブログ:『日本の財政赤字』
 http://highlyeffective.naganoblog.jp/e401787.html

 また、小泉元総理、竹中先生といえば、一般的にはイメージが悪いと思いますが、実は二人が政府で改革をしていた時期が、失われた二十年の中で、日本がもっともよい方向に進んでいた時期だということです。

 データを見ると、財政も、失業率も、経済成長も、すべてよくなっております。ジニ係数でみた格差が拡がったのは、二人の登場する前の時期です。この件については、一方の人たちの話ばかりを信じないで、この本に出ているデータを見てほしいと思います。

 参考ブログ:
 『米百俵の精神』
 http://highlyeffective.naganoblog.jp/e386389.html
 『竹中式生き方 自分はできるはず!』
 http://highlyeffective.naganoblog.jp/e193370.html

 この本は図表が多く、大事なところが赤字になっていて、一見、非常に読みやすそうな作りですが、内容は高度で、経済学が少しわかる人でないと読みずらいと思います。(マクロ経済学の教科書のように、GDPの解説から始まります。)
 
 でも、大切なことが書かれていますから、皆さまにお勧めします。

 この本の主張がすべて正しいとは思っていません。いま、この本と全く逆の事を主張している本を読んでいますので、読み終えましたら、またご紹介したいと思います。

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 参考文献:『日本経済の真実 ある日、この国は破産します』 辛坊治郎 辛坊正記 (幻冬舎)
 

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