社会的知性とは、他者に働きかけ、他者をコントロールすることによって自分の居場所を確保し、自分の望む目的を達成する能力のことである。
マキャベリー的知性、共感性、情動制御、実行機能、の四つの能力が社会的知性を構成している。
そのうちの、マキャベリー的知性とは、相手の気持ちや反応を推測し、それを先取りして行動する戦略的な知性である。
マキャベリーとはこのブログでも何度も紹介しているが、イタリア、ルネッサンス期の政治思想家、ニッコロ・マキャベリのことだ。
マキャベリはよくいえば戦略家であるが、悪くいえばずるい人だ。マキャベリストを敵にまわしたら怖い、と私は思っている。
マキャベリを読んでいるかどうかは別として、私から見てマキャベリストだろうと思える人は、政治家や経営者にはたくさんいる。
私の周りにも、自分では意識がなくても、マキャベリ的な行動をされている方は結構いる。たいていは押しが強く仕事の出来る方だ。
全てをマキャベリ的に生きたら、人から嫌われ、場合によっては信用を失うこともある。
しかし、『マキャベリー的知性』を読むと、この社会を生きていくために、マキャベリー的知性を上手に使っていくことが必要なのである。
私も昔はマキャベリの考えと自分の考えは随分離れていると思っていたが、いまでは経営者としてはこれを避けているわけにはいかないだろうという考え方に変わった。
周りからはよい人と言われているが、心の中では生きずらい社会だと感じている方は、まずはこの本を読み、そのあとマキャベリを読んでみたらいかがだろうか。
参考ブログ:
『一人の力に頼った経営』
http://highlyeffective.naganoblog.jp/e445855.html
『もっと欲しいと思ってしまう心』
http://highlyeffective.naganoblog.jp/e426085.html
『自国を大国にしたいと思う者は』
http://highlyeffective.naganoblog.jp/e419142.html
『敬愛か恐怖か』
http://highlyeffective.naganoblog.jp/e413647.html
『想像力』
http://highlyeffective.naganoblog.jp/e362320.html
『好きな仲間から離れる』
http://highlyeffective.naganoblog.jp/e360858.html

参考文献:『マキャベリー的知性』 岡田尊司 (アスキー新書)
タリーズコーヒー四ツ谷東口店にて執筆しました。
Hitoshi Yonezu at 10:00
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