仕事を任せるときには

2012年02月26日

 佐藤等さんの『実践するドラッカー[チーム編]』より引用いたします。

 私たちは、人に仕事を任せる際、仕事そのものを作ることから任せてしまうことがしばしばあります。任せられた人は、独断で仕事の内容を決め、取り組みます。その結果、その人にしかできない仕事に「育ってしまう」ことがあります。
 最大のデメリットは、仕事の品質や生産性の基準が”その人基準”になってしまうことです。要するに、管理不能な状態です。
 人に仕事を適合させるのではなく、仕事に人を適合させる。そのために、仕事をきちんと生産的なものに設計する。それが、人に仕事を任せる際の前提条件です。

              『実践するドラッカー[チーム編]』より引用


 佐藤等さんはドラッカーの次の部分を引用されています。

 仕事が要求するものを理解すれば、それだけ仕事を労働という人間活動に適合させることができる。

               ドラッカー 『マネジメント<上>』p252


 あくまでも仕事に人を合わせるものであって、人に仕事に合わせるものではないということです。

 「○○さんのおかげで△△課はもっている」という話を聞きます。

 ○○さんが転退職したときに、その仕事が継続できなかったり、生産性が落ちてしまったりするのならば、企業としては不安を抱えているということになります。

 ○○さんの担当している仕事を明らかにし、見えるようにして、他の人が変わってもできるように、手順化しなくてはいけないのです。

 これは私の仕事だから・・・・・・と囲ってしまっている部分があるとしたら、早急に改善した方がよいのではないでしょうか。

 企業にとって短期的にはありがたい存在であっても、長期的にはよい結果につながらない可能性があるのです。

  


 参考文献:
 『実践するドラッカー[チーム編]』 佐藤等(編著) 上田惇生(監修) (ダイヤモンド社)
 

 『ドラッカー名著集13 マネジメント[上]―課題、責任、実践』 P.F.ドラッカー (ダイヤモンド社)
 

 参考ブログ:
 『実践するドラッカー」[思考編]』を読んで
 http://highlyeffective.naganoblog.jp/e935306.html

 ドラッカーの「卓越性」
 http://highlyeffective.naganoblog.jp/e936292.html

 人を変えること
 http://highlyeffective.naganoblog.jp/e938327.html
 

 Hitoshi Yonezu at 10:00  | ドラッカー

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