森信三さんは、『修身教授録』の中の「仕事の処理」という講義で次のように述べています。
ではそのように、日常生活を充実したものにするとは、一体何なのかと言えば、これを最も手近な点から言えば、結局自己のなすべき仕事を、少しの隙間もおかずに、着々と次から次へと処理して行くことだと言ってもよいでしょう。
すなわち、少しも仕事を溜めないで、あたかも流水の淀みなく流れるように、当面している仕事を次々と処理していく。これがいわゆる充実した生活と言われるものの、内容ではないでしょうか。
森信三 『修身教授録』より引用
森さんは続いて、仕事の意味を知り、次々と仕事を果たしていくことにこそ、人間としての真の修養がある、とおっしゃっているのです。
一見何も変わりのないような毎日ですから、毎日のことを上手にこなしていても、誰からもほめられないかもしれません。
よくお家の仕事をされている主婦の方が、「家の仕事はこんなに忙しいのに・・・」とぼやくのを耳にすることがあります。
主婦の方には上司がいるわけでもないので、なかなか評価してもらえませんね。
森さんのおっしゃるように、仕事を着々とこなしていることが充実した生活であり、人生の修養だと思うことができたら、目の前の仕事に価値が見出せます。人生も少し楽しくなるのではないでしょうか。
誰かに見せるのではなく、天に見せて、着々と進めていけばよいのですね。
参考ブログ:『天から評価される人になれ』
http://highlyeffective.naganoblog.jp/e774480.html

参考文献:『修身教授録』 森信三 (致知出版社)
Hitoshi Yonezu at 10:00
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