初夏の候、みなさまいかがお過ごしでございましょうか。
日ごろは大変お世話になっております。誠にありがとうございます。
さて、人生とは、積極的に生きるべきか、のんびりと生きるべきなのか・・・
勝間和代さんは、人生の成功(?)を目指す女性のカリスマとして、いまでは知らない人がいないくらい有名ですね。
人生のあらゆる側面において効率を高め、合理化、最適化していくことを至上命題のようにして活動されています。プライベートも充実しているそうで、最近では自動二輪の免許をとられた、とご自身のブログで知りました。
普段は経済の話などほとんどしない私の父までが、新聞に掲載されていた勝間さんのコラムを話題に取り上げたのには驚きました。
74歳の父が「カツマー」になるなんてことは、まかり間違ってもないでしょうけれども、最適化なんて考えるはずもない父が勝間さんの話を持ちだすなんて・・・
解説が分かりやすいから、というのが理由のようでしたが、カツマー現象が相当浸透しているということです。
一方、精神科医の香山リカさんは、ご著書『しがみつかない生き方』で、勝間さんの生き方を批判して話題になりました。
その近著『私はのんびり生きてきた。』によれば、香山さんはここ10年くらいは手帳を使っていないそうです。手帳を使うとしてもせいぜいビジネスのアポイントだけにすべきで、後はチラシのウラとか、メモの切れ端とか、自分にあまり圧迫感を与えないような種類の紙にちょこちょこと書き記しておけばよい、といいます。
また、いま流行りの「朝活」で得られるものは「オレってイケてるグローバルなパワーエリートさ」といった気分にすぎないので、そんなにしんどい思いをするよりは、「オレなんて、おとといも昨日も夜活しちゃったよ。朝より夜のほうがたいへんなんだよ」と言ってみては、といいます。
その他いろいろなことを書いておられますが、私から見たら、あまりにもマイペースで、くだけていて、思わず笑ってしまうほどでした。
ビジネスの世界では、勝間さんのような考え方が是とされていますが、最近ではますますビジネスのスピードが上がっていますので、ついていけない人も増えています。忙しいし、気が抜けないし、辛いということもあります。
「それを言っちゃあおしまいよ」と怒られそうですが、香山さんの本を読んだら、私は随分楽な気持ちになりました。
どちらの生き方もよいと思いますので、私は、時には勝間さんのように、時には香山さんのように、よいところを学んで、なめらかに生きていこう、と思ったことでした。(女性VS女性の議論に割り込んでしまってごめんなさい。)
末筆となりましたが、みなさまのご多幸を心よりお祈りいたします。どうぞお元気でお過ごしくださいませ。今月もどうぞよろしくお願いいたします。

参考文献:
『私はのんびり生きてきた。』 香山リカ (扶桑社)
『しがみつかない生き方』 香山リカ (幻冬舎)
参考ブログ:「『イエスマン』か?『断る力』か?」
http://highlyeffective.naganoblog.jp/e244292.html
Hitoshi Yonezu at 10:00
| ささやタイムズ記事