『経営のやってはいけない!』を読んで

2010年12月27日

 『経営のやってはいけない!』は、税理士の岩松正記さんが、中小企業、ベンチャー企業の経営者がやってはいけない95の事項を紹介してくれる本です。
 
 一項目が見開きの2ページにまとまっているので、読みやすいです。1時間から2時間で読めます。
 
 企業経営において、一般的には、他社の成功事例をまねて自社に応用するというのがよいとされていますが、岩松さんは、成功体験は偉人伝のようなものと割り切って、やってはいけないことを確認していった方が、失敗の危険性は低くなるといいます。

 岩松さんがアドバイスされる内容は、逆説的なものがほとんどですが、私としては同感するところが多かったです。
 
 例えば、やってはいけない第一番目に出てくる「企業理念は必要か?」・・・この問いに対して、ほとんどの方は、Yes!と答えるでしょう。

 岩松さんは、かつてエイチ・アイ・エスの澤田会長と面会した時に、「まずは3年間、利益を出し続けなさい。そうすれば、会社の存在意義や企業理念などというものは、後から自ずと出来上がってくる」と言われたそうです。
 
 最近、経営というと、理念、理念と、あまりにも理念に偏りすぎているように思います。
 スタートしたばかりの会社や、まだ利益が上がっていない会社に、理念は必要でしょうか。利益も出ていないのに、社長が理念をつくることに心血を注いでいてよいのでしょうか。
 
 社長は改めて考えなくても、経営理念のようなものをもともと心の中にもっているはずです。
 どうしても理念というのなら、とりあえずはそれを形にしておけばよいのであって、それよりも、売上をあげて利益を出すということのほうがずっと大切だと私は思います。この点は、岩松さんに全く同感でした。

 30番目の「使いやすい社員がよい社員」では、「中小・ベンチャー企業にあっては、会社の趨勢を決めるのは社長の能力であり、個々の社員に求める仕事の能力などというのは意外とどうにでもなる」と書かれています。

 この点については、私はそうは思いません。決めたことを強い意志をもって、推進し、執行出来る社員というのは、そうそういません。実行力のある人材は常にほしいと思います。

 中小・ベンチャー企業の経営者のみなさまは、この本をご覧になって、ご自分のお考えと比べてみたら面白いと思います。


 
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 参考文献:『経営のやってはいけない!』 岩松正記 (クロスメディア・パブリッシング)
 

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