新年のご挨拶

2011年01月01日

 あけましておめでとうございます。

 昨年中はたいへんお世話になりました。心より御礼を申し上げます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

 さて、いま、「捨てる」ことが注目されています。
 
 棋士の羽生善治さんは、勝負においては「恐れないこと」が大切で、必要以上の恐れをもたないためには、自分にとって不要なものを捨てることだ、といいます。
 新しいことにチャレンジするときには、過去の実績も不要なものとなります。過去の実績がある人には、それを汚したらどうしよう・・・という恐れが生まれます。
 捨てるものがなくなれば、恐れもなくなります。

 「断捨離」を提唱したやましたひでこさんは、捨てられない人の一形態として、「未来不安型」を紹介されています。 
 未来不安型の人は、「いつかその未来が来て、手に入らない状況に陥る自分」を勝手に頭の中に作り上げてしまうのだそうです。
 思い切って捨ててしまうことができれば、もう手元にないのですから、なくなるという事態を想像することがなくなります。

 外山滋比古さんは、著書『思考の整理学』の中で、ものは知っているが、ただ、それだけ、という人間ができるのは、本当におもしろいものと、一時の興味との区分けをする労を惜しむからだとおっしゃっています。
 たえず、不必要な知識を捨て、不易の知識のみを残すようになれば、その知識は、それ自体が力になりうるそうです。
 
 松下幸之助さんは、『道をひらく』の中で、自己を捨てることによって相手が生き、その相手が生きて、自己もまたおのずから生きるようになる、とおっしゃっています。自己を捨てることを発端として、双方で生かし合いが起こり、繁栄が生まれ、ゆたかな平和と幸福が生まれてくるそうです。

 仏教には、四無量心とよばれる「慈悲喜捨」の考え方があります。慈悲喜捨の考え方を実践して、感謝の気持ちで生きることによって、心の奥の奥にある畑が豊かになっていくそうです。
 「慈悲喜捨」のうちの「捨」とは、人の役に立ったことを忘れることです。人にしてあげたことを忘れることによって、自分が豊かになれるのです。       

 私は、小さいころから「もったいない」という言葉を聞いて育ったせいか、「捨てる」という言葉には否定的なイメージをもっておりました。

 捨てるという行為が道徳に反しているような気がしてしまって、捨てるべきものを思い切って捨てられないことがありました。

 昨年末には、ご紹介したいろいろな「捨てる」話にインスパイアされて、心残りのあるものを潔く捨てました。ものを捨てることによって、心に残っていたことも消えていきます。
 
 無駄にしたり、冷たい扱いをしたりするのは論外ですが、捨てるという行為を通じて、今までにない新しい世界が切り開けるような気がします。

 平成23年が皆さまの人生にとって、素晴らしい年となりますことをご祈念申し上げます。どうぞお元気で、よい年になさってください。

 
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 参考文献:
 『結果を出し続けるために』 羽生善治 (日本実業出版社)
 

 『新・片づけ術 断捨離』 やましたひでこ (マガジンハウス)
 

 『道をひらく』 松下幸之助 (PHP研究所)
 

 『思考の整理学』 外山滋比古 (ちくま文庫)
  

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