『あなたの会社は部長がつぶす!』を書かれた山田修さんは、かつて社長として六つの会社の再建に成功し、いまでは経営コンサルタントとしてご活躍されています。
山田さんは、「社長は何もできないという前に、社長は何も見えていない」とし、現場を握る部長や経営幹部が環境の変化に対応できるようにならないと、会社はよくならないといいます。
山田さんが再建された会社は、数人から300人までの「中堅・中小企業」とのことで、この本のカバーには「中小企業向け」と書いてありますが、私が読んだ印象では、どちらかというと、組織がある程度出来上がっている中堅企業を前提にして書かれているように感じました。でも、考え方は中小でも中堅でも同じだと思います。
この本の中で、私がもっとも共感したところは、「『企業はヒトなり』ではない!」という考え方です。
中小企業の社長さまと話していると、「人さえ何とかなれば・・・」とか「いい人さえいてくれたら・・・」という話になることが多く、これは中小企業として、現実的かつもっとも大きな悩みだと思います。
実際に私もいろいろなことがうまくいかなくて、よい人を探すことばかりを考えていた時期がありました。
確かによい人をとることは大切ですが、その前にやるべきことがあったのです。
山田さんはある会社の再建をしたときに、ほとんどメンバーを変えずに、売り上げを三年間で三倍にまで伸ばしたそうです。
そのとき、人は変えないで、「組織の組み方」と「やり方」を変えたのだそうです。
しばらく前に、このブログでご紹介しました「マッキンゼーの7S」で考えれば、「人さえ何とかなれば・・・」というのは、3のStaffを変えるということですが、「組織の組み方」と「やり方」ということになれば、6のStructureと、7のSystemを変えることになるのです。場合によっては5のStrategyも関係しますね。
マッキンゼーの7S
1.Shared value (共通の価値観・理念)
2.Style(経営スタイル・社風)
3.Staff(人材)
4.Skill(スキル・能力)
5.Strategy(戦略)
6.Structure(組織構造)
7.System(システム・制度)
参考ブログ:『マッキンゼーの7S』
http://highlyeffective.naganoblog.jp/e493617.html
この本には7Sの話はまったく出てきませんが、山田さんはMBAですから、7Sはご存知のはずで、もしかしたら意識されているのかもしれません。
組織構造とシステム・制度を優先するという考え方には、私もまったく同感です。

参考文献:『あなたの会社は部長がつぶす!』 山田修 (フォレスト出版)
どこかで聞いたことのある名前だな・・・と思っていましたら、本棚に山田さんの本がありました。1994年出版の本です。当時私はアメリカのMBAコースに留学したいと考えていて、いろいろ調べていたのでした。想いはかないませんでしたが・・・
『MBA、それからの10年』 山田修 (日本実業出版社)
Hitoshi Yonezu at 10:00
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