本はたくさん読んで、ものは知っているが、ただ、それだけ、という人間ができるのは、自分の責任において、本当におもしろいものと、一時の興味との区分けをする労を惜しむからである。
たえず、在庫の知識を再点検して、すこしずつ慎重に、臨時的なものをすてて行く。やがて、不易の知識のみが残るようになれば、そのときの知識は、それ自体が力になりうるはずである。
以上の文章は、外山滋比古著『思考の整理学』より引用
私はしばらく前に、一日一冊のペースで本を読んでいたことがある。在庫の知識はどんどんたまったが、整理ができていなかった。
読んだ本を無造作に積んでいるように、頭の中でも知識が積みっぱなしになっているのだ。
こういう場合の私の整理法は、まず、それぞれの本のなかの、赤線を引いたところを、もう一度、読み返すことから始まる。
最初に読んだときに、役に立つと思ったところ、感動したところ、何度も読み返したいと思ったところに、赤のボールペンで線を引いてある。書き込みもしてある。これがあとで大変役に立つのだ。
二度目に読んだときに、やっぱりすごい!と思ったら、その箇所の上の余白に、◎か、〇をつける。
これがついたら、自分にとって本当に役立つ本だということになる。その本は大切な本として、身近な本棚に入れる。
重要な部分をいちいち書き写したりしなくても、本そのものを身近に置いておけば、ぱらぱらとめくるだけですぐに参照できるので、便利だ。
◎〇がつかなかった本は、誠に残念ながら、遠くの本棚か、ダンボール箱行きとなる。外山先生のおっしゃる「臨時的なものをすてて行く」作業だ。
こうすれば少しは整理が出来て、前が見えてくる。
関連した私のブログ:『捨てる技術』
http://highlyeffective.naganoblog.jp/e389435.html
参考文献:『思考の整理学』 外山滋比古 (ちくま文庫)
Hitoshi Yonezu at 10:00
| Comments(0) | 読書感想
この記事へのコメントはこちらから