捨てる技術

2010年01月26日

 もう6~7年前になるだろうか、中小企業診断士が30人くらい集まったある会合で、辰巳渚さんを招いてお話を伺ったことがあった。

 辰巳渚さんは、かの有名なベストセラー『捨てる!技術』の著者であり、マーケティングのお仕事をなさっている方だ。

 そのご講演の内容は、あまり覚えていないのだが、『捨てる!技術』と同じような話だったように思う。
 
 そのとき、私がもっとも驚いたことは、ご講演のあとの懇親会の席で伺った話だった。

 皆さんと名刺交換をしながら雑談をされていたのだが、辰巳さんは、これを言ってしまうと、ひどい人と思われるかもしれないが・・・、と前置きしながら、いま頂いた名刺も、帰りに捨てていってしまうかもしれない、とおっしゃったのだった。

 その会合で出会った人のなかに、しばらくしてからまた会いたいと思った人物が出てきたとしても、この会を紹介してくれた人を通じて連絡を取ることができるから、あえて名刺を保管しておく必要はない、というような論拠だった。 

 その場が一瞬凍りついたような気がしたし、それを聞いて、私は名刺交換するのをやめたが、私自身はその潔さに感動した。

 そのとき以来、さすがに名刺を捨てることはしないが、ものを捨てることが楽になった。

 どんなものであろうと、捨てようか、捨てまいか迷って、とりあえずとっておいて、数年後ますます古くなった姿を見てしまうと、後悔したような気持ちになる。
 
 必要のないもの、要らなくなってしまったものに対しては、次の使い道、行き先を考えてあげるのがそのもののためにもよいのだろう。

 本当に大切なものだけはとっておいて、あとは心のなかにとっておけばよいですね・・・
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 参考文献:『捨てる!技術』 辰巳渚 (宝島社)
 
 今日ご紹介した話は私の記憶にもとづく事実ですが、もちろん、辰巳さんは私のことなど全く覚えていないと思います。

 Hitoshi Yonezu at 10:00  | Comments(0) | 読書感想

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