会議を進めるにあたり その2

2014年04月02日

 「会議を進めるにあたり」の続きです。

 http://highlyeffective.naganoblog.jp/e1465912.html

 ドラッカーの『経営者の条件』第3章「どのような貢献ができるか」より引用します。

 会議を生産的にするための原則は他にもある。例えば、会議を司会しつつ重要な発言に耳を傾けることはできる。あるいは討議に参加して発言することもできる。しかしこの両方を同時に行うことはできない。だがこの原則は、明白でありながら大体において無視されている。
 そして最も重要な原則は、会議の冒頭から貢献に焦点を合わせることである。

         『経営者の条件』 p98より引用


 原文では次のように表現されています。

There are other rules for making a meeting productive(for instance,the obvious but usually disregarded rule that one can either direct a meeting and listen for important things being said,or one can take part and talk ;one cannot both).But the cardinal rule is to focus it from the start on contribution.

”The Effective Executive” p69-70


 会議を生産的にするための原則。

 1.会議を司会しつつ重要な発言に耳を傾けることはできる・・・・・・
 2.討議に参加して発言することもできる・・・・・・
 3.しかし、この両方を同時に行うことはできない・・・・・・


 この部分は原文では例示としてカッコの中に書かれていることだったんですね。

 私は「ビジネス読書会」を主宰し、毎月開催しています。

 そのビジネス読書会を運営するにあたり、
 ①全体を配慮しながら司会進行をしつつ、
 ②参加者の発言に耳を傾け、
 ③パソコンで記録を取りながら、
 ④自分の発表をし、
 ⑤討議に参加して自分の発言を
 していました。

 一つの作業に集中すると他の作業がおろそかになってしまいます。
 毎回、なかなか思うようにみなさんの意見を引き出せないなあ・・・自分は能力不足だなあ・・・と感じていました。

 しかし、ドラッカーによれば、それは同時にはできないことだったのです!私はその原則を無視していました!会議を進行する者は発言してはならないのです。

 すこし肩の荷が下りました。

 読書会においてさえできないのですから、クリエイティブな会議の場においては、かなり難しいことだといってよいでしょう。

 会社の会議においてはこのような無理なことはしていないのですが、読書会においては私のサービス精神がやりすぎてしまったのです。

 サービス精神が成果を下げてしまっているとしたら、本末転倒です。

 ドラッカーらしい、次の文章が重要です。

 最も重要な原則は、会議の冒頭から貢献に焦点を合わせることである。

 "the cardinal rule is to focus it from the start on contribution"


 この会議(読書会)は、いかなる成果をあげるのか?そして、自分としてはどのような貢献に焦点を合わせればいいのか?と問わなくてはならないのです。


cardinal 基本的な、主要の(main)、真紅の disregard 無視する   『リーダーズ英和辞典第2版(研究社)』

  

 
 参考文献:
 『経営者の条件』 P.F.ドラッカー(著) 上田惇生(訳) (ダイヤモンド社)
 

 ”The Effective Executive” P.F.Drucker (Harper Business)
 

 Hitoshi Yonezu at 10:00  | ドラッカー

お知らせ
Hitoshi Yonezu
P.F.ドラッカーを読む読書ブログです。
 
ささや
< 2025年05月 >
S M T W T F S
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31
インフォメーション
長野県・信州ブログコミュニティサイトナガブロ
ログイン

ホームページ制作 長野市 松本市-Web8