会議を進めるにあたり

2014年03月31日

 ドラッカーの『経営者の条件』第3章「どのような貢献ができるか」より引用します。

 会議を成果あるものにするには、会議の冒頭に、会議の目的と果たすべき貢献を明らかにしなければならない。そして会議をその目的に沿って進めなければならない。目的のある会議を、誰もが勝手にアイデアをいい合う懇談の場としてはならない。
 あるいは、思考と検討のための会議を誰かのプレゼンテーションの場にさせてはならない。出席者全員を刺激し、全員を挑戦させるものにしなければならない。会議の終わりには、冒頭の説明に戻り、結論を会議開催の意図と関連づけなければならない。

          『経営者の条件』 p98より引用


 原文では次のように表現されています。

The effecitive man always states at the outset of a meeting the specific purpose and contribution it is to achieve. He makes sure that the meeting addresses itself to this purpose.He does not allow a meeting called to inform to degenerate into a "bull session" in which everyone has bright ideas.But a meeting called by him to stimulate thinking and ideas also does not become simply a presentation on the part of one of the members, but is run to challenge and stimulate everybody in the room.He always, at the end of his meetings, goes back to the opening statement and relates the final conclusions to the original intent.

”The Effective Executive” p69



 ・・・誰もが勝手にアイデアをいい合う懇談の場としてはならない・・・・・・

 ・・・誰かのプレゼンテーションの場にさせてはならない・・・・・・

 実際の会議の場において、こんなことになっていないでしょうか。

 いままでの経験からしても悪い会議の形はこのいずれかだったように思います。

 ドラッカーは、ここで具体的な会議の進め方を示しています。

 1.会議の冒頭に会議の目的と果たすべき貢献を明確にすること。

 2.会議はその目的に沿って進めること。

 3.会議の終わりには結論を冒頭に述べた目的と関連づけること。


 私も似た方法を実行したことがあります。
 会議の冒頭に、各人が会議に来た目的を紙に書いてもらい、一人1分ずつ発表します。そして会議の終わりには、それが達成できたかどうかをまた1分ずつ発表してもらう、という方法です。

 参加者の意識が詳らかになりますし、会議への参加態度も大きく変わります。

 もう一つは経営者(上司)の問題もあります。

 ご紹介した文章ではプレゼンテーションで時間を取るのは「誰か」"one of the members"のとなっていますが、多くは経営者や上司のことでしょう。(ときに無意味に話の長い部下もいますが)
 
 大企業においてさえも、あまりにも経営者の発言力が大きいと、その経営者一人の演説会になってしまっていることもある、と聞きます。

 中小企業においては、特に気を付けなくてはならないことです。

 会議は成果をあげるために行います。

 参加者の目線を会議の目的に向けさせ、決して"bull session"にさせないことです。

 成果があがらないのなら、しばらくやめてみるのも手です。

outset 出発、最初 degenerate 退歩する、劣化する、退歩させる bull session とりとめのない会話、雑談
 リーダーズ英和辞典第2版(研究社)

  

 
 参考文献:
 『経営者の条件』 P.F.ドラッカー(著) 上田惇生(訳) (ダイヤモンド社)
 

 ”The Effective Executive” P.F.Drucker (Harper Business)
 

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