『運命のバーカウンター』を読んで

2013年11月15日

 高橋仁さんのご著書『運命のバーカウンター』を拝読いたしました。

 高橋さんは脱毛サロン「ミュゼプラチナム」で有名なジンコーポレーションの代表取締役を務めておられます。高橋さんのご著書は以前このブログでご紹介したことがあります。

 参考ブログ:「1800円の脱毛サロン?」
 http://highlyeffective.naganoblog.jp/e955735.html

 『運命のバーカウンター』の帯には「覚悟を決めた経営者は無敵である。」の太字のコピーとともに、白川道さんや小山薫道さんの推薦文が記されています。
 
 若い経営者がメンターの指導の下、成功に向かっていく姿を描く小説です。経営についての解説的なものは一切ないまま物語は進んでいきますが、その過程に含意があります。

 アマゾンの書評を見ると、★1つから★5つまで広がっています。評価がはっきり分かれる本ですね。

 ストーリー自体は面白かったのですいすい読めてしまいますが、何が出てくるのだろうか?と期待しながら先を進めていくと、結局何に出てこなくて終わる感じです。
 
 私にとっては、自分の経営に重ねて読んでいて、自分の弱さや至らなさを反省する部分がいくつか発見できました。ストーリーから読み取る本ですから、あくまで自分がどう読むか、どうとるか、ということです。

 私が気付きを得た部分をご紹介します。

 「経営者なら過去を失くすことだ」 (p056)

 「経営者にあるのは、今この瞬間と未来だけってことだ。どれだけ過去に成功したって、そんなものは関係ない。それより今どうしているか、これから先どうするか。それしかない。だから俺は、常に仕事をしている」(p056)

 「(前略)ただ、ビジネスとしてやるなら、”好きの壁”を越えろってことだ。好きで始めたことは自分の満足したところで終わってしまう。好きなことに裏切られるのは怖いから冒険もできない。常に波も来ない自己満足の湾の中をグルグル回っているだけの遊覧船だ」(p122)

 「(前略)だからこそ、経営者なら同じ味のように思えても中身は進化させないとダメだ。今の状態を維持しようと思ったら、確実に将来はない。進化させているからこそ”変わらない”と客は評価してくれるってことだ」(p132)

 「会社を経営するって大変ですね、とか言われるだろ。私にはとても無理とか。そうじゃないんだよ。この喜びっていうのは分単位、秒単位で思うわけだ。この一分一秒たりとも無駄にできない。こうして銀座で飲んでても明日になれば会社がないっていう可能性だってある。そこを楽しめるかだ」(p155-156)

 「みんな全力出し過ぎだ。遊びがなさ過ぎる。そんな経営者は周りを不安にさせるだけだ。義男が部下だったら、そんな経営者はどうだ?」
 「心配ですね。いろんな意味で」
 「だろ?余裕も遊びもなく生きている人間には、他の人間は集まってこない。疲れるし不安になる。底が見える経営者ほどつまらんものはない」(p185)


 中小企業の経営者や創業者の方が読むとよいと思います。ただ、好みにあうかどうかです。

 期待しないで読んでみてください。私にはおもしろかったです。

  


 
 参考文献:『運命のバーカウンター』 高橋仁 (幻冬舎)
 

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