『自分を愛する力』を読んで
2013年04月23日
乙武洋匡さんのご著書『自分を愛する力』を拝読いたしました。
乙武さんが大学在学中に出版した『五体不満足』は大ベストセラーになりましたね。
1976年生まれの乙武さんは大学卒業後、スポーツライターとして活躍、その後、新宿区教育委員会非常勤職員、杉並区立杉並第四小学校教諭を経て、現在は「まちの保育園」の運営に携わるほか、東京都教育委員も務めておられます。
この本は三章立てて、最終章として精神科医の泉谷閑示さんとの対談がついています。三章の構成は次のようなものです。
第一章 息子として
第二章 教師として
第三章 父親として
この本を読むと、乙武さんが健常な方よりもずっと力強く生きてこられたことが分かります。
私が感動したのは、乙武さんが小学生のときに嫌がる乙武さんを無理やりプールに連れて行って練習させていた担任の先生の話です。
「この時期はさあ、あれだけ嫌がってた君を無理やりプールに連れてきては、いっしょに練習していたでしょ。あれ、なぜだかわかる?本当は泳げるようにしたかったわけではないんだよ」
-え、ちがったんですか。うーん、ちょっとわからないです・・・・・・。
「もしね、君が万が一、水の事故に遭ったとき、だれかが救助に駆けつけるまで、自力で水に浮いていられるように、せめてそこまではしておきたかったんだ」
『自分を愛する力』 p62より引用
生まれてから自分の体のことをつらいと思ったことのなかった乙武さんですが、結婚をされお子さんをもたれて、次のような思いをもたれたそうです。
そんな僕が、人生で初めて、この身体をつらいと思った。この境遇をしんどいと感じた。自分のことは何とかしてしてきた。周囲も手伝ってくれた。だが、自分が何かをしてあげたい相手ができたとき、自分が守ってやりたい存在ができたとき、僕にはどうすることもできなかったのだ。
そして、この悲しみは、この日かぎりで終わるものではない。僕が父親であり続けるかぎり、自分の愛する息子をみずからの手で守ってやることができないという情けなさと無力感は、まるで影法師のようにこの先もずっと僕につきまとい、苦しめつづけるのだ。
『自分を愛する力』 p171より引用
乙武さんのこの告白は私にはずしりときますが、軽々しく感想を申し上げられないことです。
健康な身体で生活できていることに深く感謝したいと思います。
みなさまもどうぞご参考になさってください。
参考文献:『自分を愛する力』 乙武洋匡 (講談社現代新書)
米津仁志 at 10:00
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