企業における個人の「強み」の生かし方

2024年01月09日

 能登半島地震で被災された方、関係者のみなさまに心よりお見舞いを申し上げます。
 
 謹んで新年のご挨拶を申し上げます。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

 さて、前回は、ドラッカーの『経営者の条件』より、成果を上げるための五つの条件(時間、貢献、強み、集中、意思決定)のうち「貢献」のなかの「三つの領域における成果」についてご紹介しました。今回は「強み」について読んでみます。
 
 成果をあげるには、人の強みを生かさなければならない。弱みからは何も生まれない。結果を生むには利用できるかぎりの強み、すなわち同僚の強み、上司の強み、自らの強みを動員しなければならない。強みこそが機会である。強みを生かすことは組織に特有の機能である。

 鉄鋼王アンドリュー・カーネギーが自らの墓碑銘に刻ませた「おのれよりも優れた者に働いてもらう方法を知る男、ここに眠る」との言葉ほど大きな自慢はない。これほど成果をあげるための優れた処方はない。カーネギーの部下たちは、それぞれの分野において優秀だった。それは彼が部下の強みを見出し仕事に適用させたからだった。もちろん、最も大きな成果をあげたのはカーネギーだった。

 強みを生かすことは、行動であるだけでなく姿勢でもある。しかしその姿勢は行動によって変えることができる。同僚、部下、上司について、「できないことは何か」でなく「できることは何か」を考えるようにするならば、強みを探し、それを使うという姿勢を身につけることができる。やがて自らについても同じ姿勢を身につけることができる。

 成果に関わるすべてのことについて、機会を育て、問題を立ち枯れにしなければならない。特にこのことは人事についていえる。自らを含め、あらゆる人を機会として見なければならない。強みのみが成果を生む。弱みはたかだか頭痛を生むくらいのものである。しかも弱みをなくしたからといって何も生まれはしない。弱みをなくすことにエネルギーを注ぐのではなく、強みを生かすことにエネルギーを費やさなくてはならない。

   P.F.ドラッカー『経営者の条件』p102-135より抽出、編集して引用


 どなたにもそれぞれの特徴として、強みや弱みがあります。一人で仕事をする場合は、強みを使えるはよいとしても、弱みも如実に表れてしまいます。

 しかし、組織には個人の弱みを消し、強みをより強く生かす機能があります。

 例えば、数字に強い人は経理を担当し、交渉力があり親しみやすい人は営業を担当し、手先が器用な人は製造を担当します。
 
 このように、組織は分業をすることによって、各人の強みを生かすことが出来るのです。

 カーネギーの墓碑銘が示す通り、カーネギーは人の強みを利用して大きな成果を上げました。それぞれの人の強みを生かすことで、企業はより大きな成果を上げることが出来るようになるのです。

 弱みにエネルギーを注ぐことは無駄な努力です。弱みで仕事をしなくてはならない場合は、最低限すべき(しなくてはならない)ルールを決めて、それをしっかり行ってもらうのがせいぜいか、と思います。

 今年一年のみなさまのご多幸、ご健勝を祈念いたします。

 いつもご利用ありがとうございます。

 参考文献:
  『経営者の条件』 P.F.ドラッカー(著) 上田惇生(訳) (ダイヤモンド社)

 米津仁志 at 10:52  | ささやタイムズ記事 | ドラッカー

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