ドラッカーの『経営者の条件』第4章より引用します。
人間性と真摯さは、それ自体では何事もなしえない。しかしそれらがなければ、ほかのあらゆるものを破壊する。したがって、人間性と真摯さに関わる欠陥は、単に仕事上の能力や強みに対する制約であるにとどまらず、それ自体が人を失格にするという唯一の弱みである。
P.F.ドラッカー『経営者の条件』第4章p120より引用
人間性と真摯さは、お城でいえば石垣のようなものなのですね。
これらがなければ「人を失格にする」というのですから、相当な弱みになってしまいます。
しかも、真摯さは後からは手に入れられないとドラッカーは言うのです。
マネジャーの仕事は、体系的な分析の対象となる。マネジャーにできなければならないことは、そのほとんどが教わらなくとも学ぶことができる。しかし、学ぶことのできない資質、後天的に獲得することのできない資質、初めから身につけていなければならない資質が、一つだけある。才能ではない。真摯さである。
『マネジメント[エッセンシャル版]』 p130より引用
こういわれてしまうと、真摯さだけは子どものころから教育されていないとどうしようもない、ということになります。
それでも私は若い社員たちにはよい人間になってほしくて、いろいろな経験をさせたり、研修を受けさせたりします。
30代も後半になってくると、人間を変えていくのはなかなか難しくなってきます。
若いうちには技術的なことや方法論よりも、人間性と真摯さを何としても身につけさせたい、と私は考えています。

参考文献:
『経営者の条件』 P.F.ドラッカー(著) 上田惇生(訳) (ダイヤモンド社)
『マネジメント [エッセンシャル版]』 P.F.ドラッカー (ダイヤモンド社)
参考ブログ:「マネージャーに必要なもの」
http://highlyeffective.naganoblog.jp/e402355.html
Hitoshi Yonezu at 10:00
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