謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
昨年は格別の御厚情を賜り、心より御礼を申し上げます。本年も従業員一同、少しでもみなさまのお役に立てますよう努力する所存でございます。 何とぞ昨年同様のご愛顧を賜わりますよう、お願い申し上げます。
また一年、年をとってしまいましたが、大学生の頃の私は、一日も早く大人になって一人前として認められたい、と思っていました。むしろ年をとりたかったのです。
そして「2000年には33歳になるからこんな感じだろう、2010年は43歳だからこんな感じだろう・・・・・・」とバラ色の夢を描いていたことを思い出します。
まさか45歳にもなって独りでいるとは予想だにしておりませんでしたが、これも人生です。
フランスの哲学者アラン(エミール=オーギュスト・シャルティエ 1868-1951)の言葉をご紹介いたします。
幸せだから笑っているのではない。むしろぼくは、笑うから幸せなのだ、と言いたい。幼な子は笑って楽しんでいる、ちょうど食べて楽しむのと同じように。しかし、まず食べる必要がある。
アラン『幸福論』p258より引用
人生には「○○となれば幸せ、□□だと不幸せ」という便利な公式はありません。
幸せはすべて自分が探し、自分で決めることです。
JALの再建を果たした稲盛和夫さんもこう述べています。
私は幸せとはまさに主観的なものであると強く思います。幸せと感じられるのか感じられないのか、その成否はあくまでも、当人の心の状態にあるのであって、普遍的な基準など一切ないと思うのです。
稲盛和夫著『「成功」と「失敗」の法則』p57より引用
そして、幸せになれるかどうかは利他の心をもてるかどうかだ、といいます。
幸福になれるかどうか、それは心のレベルで決まる ― つまり私たちがどれだけ利己的な欲望を抑え、他の人に善かれかしと願う「利他」の心を持てるかどうか、このことこそが幸福の鍵となるということを、私は自らの人生から学び、確信しています。
稲盛和夫著『「成功」と「失敗」の法則』p59より引用
アランも同じようことを1910年1月2日付の新聞に掲載したプロポ(哲学断章)に書いています。
ひとこと、親切なことばを、心からの感謝のことばを言ってごらん。冷淡なのろまに対しても親切にしてあげたまえ。君はこの上機嫌の波に乗ってどんな小さな浜辺にも行ける。料理を聞くボーイの調子がちがう。椅子を通り抜けるお客たちの様子がちがう。こうして、上機嫌の波が君のまわりに大きくなって、すべてのものを軽くする、まず君自身の心を。これには限界がない。しかし出発点をつかみたまえ。一日の初め、年の初めをよくしたまえ。
アラン著『幸福論』 p270より引用
この輝かしき新年に、自分のことばで周りを温かく照らしていきましょう!必ずよい年になるでしょう。すばらしい一年のスタートです。
みなさまのご健勝と益々のご発展を心よりお祈り致します。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

参考文献:
『幸福論』 アラン(著) 神谷幹夫(訳) (岩波文庫)
『「成功」と「失敗」の法則』 稲盛和夫 (致知出版社)
参考ブログ:「幸せはどこにある?」
http://highlyeffective.naganoblog.jp/e500343.html
Hitoshi Yonezu at 10:00
| ささやタイムズ記事