ドラッカーの『経営者の条件』第1章より引用します。
組織は存在することが目的ではない。種の永続が成功ではない。その点が動物とは違う。組織は社会の機関である。外の環境に対する貢献が目的である。しかるに組織が成長するほど、特に成功するほど、組織に働く者の関心、努力、能力は組織の中のことで占領され、外の世界における本来の任務と成果を忘れていく。
P.F.ドラッカー『経営者の条件』より引用
ドラッカーが指摘するのは、組織が成功していくと、働く者は組織の中で成功することに力をいれてしまう、ということでしょうか。
お客さまのご満足よりも上司のご機嫌を伺うことに熱心な人がいます。そういう体制を認めてしまっている組織があります。
お取引先のある大企業では、社長を神さまのように崇めていて、お客さまよりもずっと丁寧に接待をしている姿を見たことがあります。
大企業の社長ともなれば偉いのは分かりますが・・・・・・
私は若者や新人のスタッフには「私に何かをしてくれるよりも、お客さまに喜んで頂けることが私にとっては一番うれしいんだよ」と説明します。社長や上司の方ばかりを向いている社員を作らないためです。
社長としては社内の気配りは大変ありがたいのですが、それに流されないで、お客さまや社会にどのようしたら貢献できるのかを考えなくてはいけないのだ、と思います。

参考文献:
『経営者の条件』 P.F.ドラッカー(著) 上田惇生(訳) (ダイヤモンド社)
参考ブログ:「組織の使命に信念をもつ」
http://highlyeffective.naganoblog.jp/e1034019.html
Hitoshi Yonezu at 10:00
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