集中するために廃棄する

2024年02月09日

 暦の上では春となりましたが、まだ寒い日が続いております。みなさまいかがお過ごしでしょうか。
 
 日頃は大変お世話になっております。誠にありがとうございます。

 さて、このブログではドラッカーの『経営者の条件』を読んでいます。今回は、成果を上げるための五つの条件(時間、貢献、強み、集中、意思決定)から「集中」について読んでみます。
 
 集中のための第一の原則は、生産的でなくなった過去のものを捨てることである。そのためには自らの仕事と部下の仕事を定期的に見直し、「まだ行っていなかったとして、いまこれに手をつけるか」を問うことである。答えが無条件のイエスでないかぎり、やめるか大幅に縮小すべきである。もはや生産的でなくなった過去のもののために資源を投じてはならない。第一級の資源、特に人の強みという稀少な資源を昨日の活動から引き揚げ、明日の機会に充てなければならない。

 つまるところ、成果をあげる者は、新しい活動を始める前に必ず古い活動を捨てる。肥満防止のためである。組織は油断するとすぐ体型を崩し、しまりをなくし、扱いがたいものとなる。人からなる組織も、生物の組織と同じようにスマートかつ筋肉質であり続けなければならない。

 古いものの計画的な廃棄こそ、新しいものを強力に進める唯一の方法である。アイデアが不足している組織はない。創造力が問題なのではない。せっかくのよいアイデアを実現すべく仕事をしている組織が少ないことが問題である。みなが昨日の仕事に忙しい。

    P.F.ドラッカー『経営者の条件』p142-146より抽出、編集して引用



 「体系的廃棄」という言葉を耳にしたことのある方も多いかと存じます。ドラッカーの言葉としてあまりにも有名です。
 
 集中するためには、まず不要なものを廃棄をすることが先だということです。

 ビジネスにおいては、何もしなくても、次々に新しい仕事がやってきますが、逆に、古い活動を見直したり、廃棄のための検討をしたりするような機会はありません。

 一般的には、優先順位を考えろ、と言われますが、何が劣後であるかを考え、劣後のものを廃棄するというのが体系的廃棄の手順です。

 当社も創業以来、組織の成果に寄与しない事業を捨てて、事業を転換してきました。昭和までは人口増加とGDPの増加というベースがありましたので、なんとかうまく転換することができてきました。
 
 「まだ行っていなかったとして、いまこれに手をつけるか?」という言葉がいつも私の耳に響いています。

 いまもまさに、コロナ禍によって立ち行かなくなった事業は廃棄し、新しい事業に挑戦しています。しかし、昭和時代とは経済のベースが違いますので、簡単ではありません。

 地方の生活関連サービス系の事業は大きな引き潮の上にいます。いままで通りというわけにはいかないと思っております。

 次回は「意思決定」を読んでみます。

 いつもご利用ありがとうございます。今月もよろしくお願いいたします。

 参考文献:
  『経営者の条件』 P.F.ドラッカー(著) 上田惇生(訳) (ダイヤモンド社)
  

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