堀場雅夫さんの『その他大勢から抜け出す仕事術』を拝読いたしました。
堀場雅夫さんは「おもしろおかしく」のモットーで有名な、分析機器製造の堀場製作所の創業者です。1924年(大正13年)のお生まれだそうですから、今年は89歳になられます。
私は数年前に京都で行われたある会合で堀場さんの御講演を拝聴したことがあります。そのときはとてもお元気でした。
この本は2005年3月に第一刷が発行されていますが『今すぐやる人が成功する!』という本を文庫収録にあたり再編集し改題したものとのことですから、もう少し前に書かれたことになります。
少し古い本ですが、書いてある内容はむしろ新鮮さを感じるものです。
『仕事で「酒」を飲む時』という節では、次のようなことが述べられていました。
まず、「宴会は酒を呑む場ではない」と心得る。
仕事と割り切り、ウェイターに徹する。そして、相手方全員と話をする。宴席はアルコールと食べ物を媒介にして、相手方と親しく会話するために開くものだ。特定の人とばかり話をするのは、宴会の何たるかが分かっていない人である。
そして、相手が「10」盛り上がったら「8」盛り上がるといったように、つねに「2」つ遅れてついていく。相手を立てるということは、相手に二割の花を持たせ、相手以上に盛り上がらないということだ。
『その他大勢から抜け出す仕事術』より引用
耳が痛いです。
私は宴会の場を営んでいる者ですが、自分が参加する宴会ともなると率先して盛り上がっています。
宴会は酒を呑む場ではない・・・・・・けだし名言、です。
私こそ「ウェイターに徹する」べき人でして、宴会の参加方法も少し考えなくてはいけないなあ、と反省しました。
いまは古書でしか手に入らないようですが、堀場さんの仕事術が一話毎に数ページずつ書かれていてとても読みやすい本です。どうぞご参考になさってください。

参考文献:『その他大勢から抜け出す仕事術 仕事を変える「8つの時間」』
堀場雅夫 (知的生き方文庫)
Hitoshi Yonezu at 10:00
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