ドラッカーは、現場に出かけ現場を見ることの重要性を『明日を支配するもの』においても『経営者の条件』においても述べています。
ドラッカーの『経営者の条件』より引用します。
自ら出かけ、自ら現場を見ることを当然のこととしないかぎり、ますます現実から遊離する。コンピューターが扱うことができるものは抽象である。抽象化されたものが信頼できるのは、それが具体的な事実によって確認されたときだけである。それがなければ抽象は人を間違った方向へ導く。
自ら出かけ確かめることは、決定の前提となっていたものが有効か、それとも陳腐化しており決定そのものを再検討する必要があるかどうかを知るための、唯一ではなくとも最善の方法である。
『経営者の条件』より引用
私のような零細企業の社長でも、会社をとりまくいろいろな仕事に取り組んでいると、現場の作業から遠ざかってしまいます。
現場の作業についてはまわっていく仕組みをつくっていくとしても、現場がいまどうなっているのかについては、必ず把握しておかねばならないことです。
私の場合はお客さまに会場やお食事を提供する仕事ですので、もっとも現場が分かるのは自分もお客にさせて頂くことです。
お客さまの立場になると、社内の至らない点もいろいろ見えますし、いままで気がつかなかった従業員の良い点に気がつくこともできます。
あとは予約受注の電話のやりとりや、キッチンで調理をしている姿、配ぜんの準備の様子などを見るようにしております。
従業員の特徴が分かりますし、改善しなくてはいけない点も見えてきます。
現場という観点からは少し違ってしまいますが、同業他社の現場を見ること、つまり他のお店さんのお客になること大切だと思います。競合相手を知らなくては、商売で戦えないからです。
こう書いてくると、ほとんど何もしていないではないか、と叱られそうです。
お客さまにご満足いただけるように、成果を出さねばならないのだ、と肝に銘じております。

参考文献: 『経営者の条件』 P.F.ドラッカー(著) 上田惇生(訳) (ダイヤモンド社)
Hitoshi Yonezu at 10:00
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