変化のための廃棄

2012年04月17日

 ドラッカーは『明日を支配するもの』のなかで「チェンジ・リーダーとは、変化を機会としてとらえる者のことである」と述べています。

 ドラッカーの『明日を支配するもの』より引用します。

 チェンジ・リーダーとなるために必要とされる条件の第一が、変化を可能にするための仕組みとしての廃棄である。最初に行うべきは、もはや成果を上げられなくなったものや、貢献できなくなったものに投入している資源を引き上げることである。昨日を捨てることなくして、明日をつくることはできない。しかも昨日のものを守ることは、難しく、手間がかかる。組織のなかでも貴重な資源、とくに優れた人材を縛りつける。

                 『明日を支配するもの』より引用 


 昔ながらの製品やサービスが新しい製品やサービスを邪魔するようになったならば、昔のものを廃棄するということは、誰でも理解ができます。

 ドラッカーは、そこまでいかない状況、すなわち寿命があと数年となった状況、あるいは償却ずみを理由として維持されている状況においても、廃棄が正しい行動だと述べているのです。

 私もかつては、償却ずみの設備はただで使えるのだから壊れるまで使ったほうがいいのだ、と考えていました。使えるものを途中で捨ててしまうのは、もったいないと思っていました。

 しかし、ドラッカーのこの話を知ってからは、償却というのは単なる税務上の問題にすぎないと考えるようになりました。

 問題は、いくらかかるかではない。何をもたらすかである。

                     『明日を支配するもの』より引用


 もったいないと感傷的になってしまうのも間違いで、その設備が経営にどれくらい貢献しているかを判断することが求められているのです。

 捨てることができない・・・・・と迷ったときに読み返したい部分です。

  


 参考文献: 『明日を支配するもの―21世紀のマネジメント革命』
            P.F.ドラッカー(著) 上田惇生(訳) (ダイヤモンド社)
 

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