手間を惜しまない

2012年04月19日

 唐池恒二さんは2009年6月、JR九州の社長に就任されると、JR九州グループのあるべき姿として次の三つのことを社員に伝えたそうです。

 「誠実」

 「成長と進化」

 「地域貢献」

 『世界から集客!JR九州・唐池恒二のお客さまをわくわくさせる発想術』より


 国鉄時代からの信頼のイメージをもつJR九州にとって「誠実」というのは一貫した強みなのだそうです。

 唐池さんは「誠実」についてはもう一つの意味があるといいます。

 それは「手間を惜しまない」ということだそうです。

 かつて唐池さんがJR九州の関連会社で外食事業を担当されていたとき、せっかく上向いた業績が落ちてしまったことがあったそうです。

 原因を調べると、手で刺していた焼き鳥を外国製の既製品に変更し、カレーは仕込むのをやめてレトルトのものを使うようになっていたのだそうです。

 唐池さんが調理を手作りに戻すと売上は一気に上がったそうです。

 消費者には手間をかけていることが分かりますので、たくさんのお客さまに来て頂けるのだといいます。

 お客さまはたいていのことはお見通しなんだ、と私は思います。

 見えないところで手間をかけるのか、手を抜くのかは、誠実かどうかに大きく関わるところです。

 経済的合理性とのバランスもありますから、例えば調理ならばどこまで手作りにするのか、どこまで既製品を使うのかは、それぞれの企業の判断に委ねられています。

 出来る範囲内で可能な限り手間をかけていくのが「誠実」につながるのだろう、と感じました。

  


 参考文献:『世界から集客! JR九州・唐池恒二のお客さまをわくわくさせる発想術』
                唐池恒二 (ぱる出版)
 

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