『日経平均を捨てて、この日本株を買いなさい。』を読んで

2012年03月06日

 藤野英人さんのご著書『日経平均を捨てて、この日本株を買いなさい。』を拝読いたしました。

 藤野さんはレオス・キャピタルワークスの最高投資責任者で、同社が運用する「ひふみ投信」のファンドマネージャーを務めている方です。

 高いパフォーマンスをあげてきた大変有名なファンドマネージャーです。

 私は社会人の始まりが証券会社でしたので、お金もないのに投資や運用の本を読むのが好きです。最新の投資に対する考え方、ファンドマネージャーの動向などがとても気になります。

 この本では、藤野さんが考えるこれからの投資信託、伸びる企業の見極め方、これからの日本経済、世界経済などが分かりやすく解説されています。

 藤野さんは昨今はプロ投資家も個人投資家も多くがインデックス投信になびいており、いわば「インデックス投信バブル」の状況になっている、と述べています。

 投資信託はアクティブ運用か、インデックス運用か大きく二つにに分けることができます。

 私もこのブログでインデックス投信についてご紹介したことがあります。

 参考ブログ:
 『ほったらかし投資術』を読んで
 http://highlyeffective.naganoblog.jp/e841542.html

 『起死回生のマネー術』を読んで
 http://highlyeffective.naganoblog.jp/e844866.html

 インデックス投信は日経225などの株価指数に連動することを目標としているために一般的に低コストです。
 アクティブ投信は企業調査に時間をかけ、頻繁に銘柄の入れ替えも行うために、コストもかかりますし、ファンドマネージャーの手腕によって大きく成績が変わってきます。

 藤野さんは大半のアクティブ投信には何らかの問題があり、本来の役割が機能していないといい、二つの問題点をあげています。

 一つ目は多くのアクティブ投信、特に資金が多い巨大なものほどインデックス投信とほとんど変わらない運用になってしまっていること、二つ目は販売戦略の都合上、そのときの流行りのテーマで投信の新規設定が行われるため、株式を高値でつかんでしまう傾向があることです。

 インデックス投信にもいくつかの問題点があります。
 私が最も驚いたことは、インデックス投信に投資をすると、競争力を失った企業、誤った方向に進んでいる企業にも資金を注ぐことになり、結果的に社会的な損失につながってしまうという藤野さんの指摘です。

 市場全体に投資をするのですからそれはその通りですが、ここまで考えている一般投資家はいないのではないでしょうか。私もこの本を読んで、投資とはここまで考えなくてはいけないものなのか・・・・・・とハッとしました。

 藤野さんの投資法は価値(バリュー)株投資ではなく、成長(グロース)株を探す投資法ですから、一般投資家が成功するのは難しい世界です。
 
 そういう意味では、もしも一般投資家が成長株投資を志すのなら、信頼できる成長株型のアクティブ投信を購入するのも一つの手である、ともいえます。

 藤野さんはご自分の運用するひふみ投信をはじめ、いくつかの信頼できるアクティブ投信の銘柄を勧めておられます。

 日本は長引く不況だといいますが、この本を読むと、そんな中でもたくさんの成長企業が大活躍しているのだ、ということも分かります。
 
 ご興味のある方はどうぞご一読くださいませ。(投資はご自分の判断と責任でお願いします。)

  


 参考文献:『日経平均を捨てて、この日本株を買いなさい。』 
                 藤野英人 (ダイヤモンド社)
 

 参考ブログ:『すぐ動く人は知っている』を読んで
 http://highlyeffective.naganoblog.jp/e460786.html

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