『他助論』を読んで

2012年02月06日

 清水克衛さんの『他助論』を拝読いたしました。

 清水さんは東京の有名な書店「読書のすすめ」を経営されている方です。店名もユニークですが、その営業形態もだいぶ変わっています。

 私が営む「読書のすすめ」(東京都江戸川区)という書店では、巷で話題になっているベストセラー本は他の書店さんにおまかせして、お店に来てくださるお客様が求めている本、抱えている問題を解決へと導く本の品ぞろえを心がけています。

                   清水克衛著『他助論』より引用


 こんな本屋さんならぜひ一度行ってみたいですね。

 清水さんは亡くなったご尊父が残してくれた「人に親切にする」という精神を大切にされています。その精神がこの本の「他助」とつながっています。

 昨今、日本は他助の精神が忘れ去られ、クレーム社会になりつつありますが、江戸時代は違っていたそうです。

 江戸時代の商人たちは、決して他のお店に対してクレームをつけることはなかったそうです。それは、もしその人がクレームをつけたりすると、その人自身の信用が落ちて、その人のお店にお客さんが来なくなるからです。
              
                清水克衛著『他助論』より引用


 私もサービス業を営んでおりますが、お客さまにご迷惑をおかけしてお叱りを頂くことがあります。その場合は自分の経営が未熟だったのですから自分に責任があります。
 叱って頂けたことを真摯に受け止め、誠実に対応していかねばなりません。

 そういうクレームとは違って、ちょっとしたことで「切れて」怒鳴っている人を見ると、少し疑問がわくこともあります。

 以前、東海道新幹線に乗っていましたら、若い車掌さんを怒鳴っている50代くらいの男性を見ました。

 席が近かったので、聞きたくもないのに聞こえてしまったのですが、どうやら、一度検札を受けたのに、二度目の検札が来てしまったので怒っているようでした。

 東海道新幹線は、長野新幹線と違って車内で車掌さんが検札に来ます。乗客の出入りがあっても重複はしないようにチェックをしているようですが、今回の場合はそのお客様が席を移動したので二度目の検札が来てしまったようでした。

 立派なスーツを着た地位の高そうな人でした。でも、そんなに怒鳴るほどのことなのかどうか、と思いました。自分の心の中の怒りを、ここぞとばかりに知らない人へのちょっとしたミスに八つ当たりしているのではないか、と感じてしまいました。
            
 この本は次のような問いかけで結ばれています。

 あなたは次の世代に、あなた自身の何を残したいですか?

                      清水克衛著『他助論』より引用


 よく考えていきたいことです。

  


 参考:『他助論』 清水克衛 (サンマーク出版)
 

  

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