凍てつくような寒さが続きます。みなさまいかがお過ごしでございましょうか。
日ごろは大変お世話になっております。誠にありがとうございます。
知人に薦められ小林正観さんのご著書を初めて読んだのは三年ほど前のことでした。
どんなことが書いてあるのだろう、とりあえず読んでみようと思って、普段はあまり行かない古書店へ行きました。
店員さんに「小林正観さんの本ありますか?」と聞いたら「宇宙のことを書く人ですね?」と言われたのを覚えています。
宇宙?天文学?そのときはなんのことなのか分からなかったのですが、後から分かったことは正観さんの本には宇宙の法則の話がよく出てくるのです。
宇宙で起きている現象に、いいも悪いもありません。ただ淡々と起きているだけです。それについて、いいとか悪いとか、気に入ったとか気に入らないとか、つまらないとか、イヤなことだと決めつけているのは、私たち自身の未熟な心のように思えます。
『豊かな心で豊かな暮らし』より引用
この文章を読んで、私は般若心経の「空」の考え方を思い浮かべました。
宇宙の法則とは、宗教、宗派、哲学などの個別の思想に偏らない正観さんのオリジナルな考え方です。幸せな人生を送った人たちが認めてきた人生の原則、原理のことを述べているように思います。
本当に謙虚になって、宇宙の言うなりになります、神仏の言うがままに動きますと腹を決めたならば、どんな仕事がまわってきても、なにをやる羽目になっても、愚痴や泣き言を言わず、ただ一生懸命にやる。真剣にやる。それだけだと思います。
『豊かな心で豊かな暮らし』より引用
神仏が出てくるので読みずらいかもしれませんが、何か特定の宗教を示しているのではなく、人生を貫く一本の太い流れ、生き方のことを述べているのだと思います。
正観さんは昨年(2011年)10月にご逝去されたとのこと。『豊かな心で豊かな暮らし』は遺稿だそうです。
自分に何かがふりかかったたとき、正観さんのおっしゃるような心境になるのはなかなか難しいことでしょう。
宇宙の法則にしたがって、淡々と生きることができれば、いつでも楽しく幸せなのではないか・・・・・・御講演を拝聴したときの正観さんのひょうひょうとしたお姿を思い出しながら、考えておりました。惜しい方を亡くしました。
みなさまのご繁栄、ご多幸を心よりお祈り申し上げます。
今月もどうぞよろしくお願い申し上げます。

参考:『豊かな心で豊かな暮らし』 小林正観 (廣済堂出版)
Hitoshi Yonezu at 10:00
| ささやタイムズ記事