人を知る標準

2011年12月24日

 森信三さんは『修身教授録』の中で「人を知る標準」として次のように述べておられます。

 人を知る標準としては、第一には、それがいかなる人を師匠としているか、ということであり、第二には、その人がいかなることをもって、自分の一生の目標としているかということであり、第三には、その人が今日までいかなる事をして来たかということ、すなわちその人の今日までの経歴であります。そして第四には、その人の愛読書がいかなるものかということであり、そして最後がその人の友人いかんということであります。
 大よそ以上五つの点を調べたならば、その人がいかなる人間であり、将来いかなる方向に向かって進むかということも、大体の見当はつくと言えましょう。

                   森信三 『修身教授録』より引用


 『修身教授録』は森信三さんが昭和12年から14年にかけて大阪天王寺師範学校において行った「修身」の講義をまとめたものです。
 
 今から70年以上前ですし、学生にむけての講義ですから、いまの常識から考えたら随分かたいですね。

 昔のまじめな学生なら、森さんに教わったこういう質問を友人に投げかけていたのかもしれないなあ、と想像してしまいました。

 私もまれに初対面の方から「どんな理念をおもちなんですか?」と質問をされることがあり、ドキッとしてしまいます。

 昨今は友達をつくるとしても、宴会の席で一緒になったり、ゴルフや趣味などで仲良くなったりして、気が合えば・・・・・・という形がほとんどでしょう。新しい友達も遊び中心になりがちです。

 いまでは、この五つの質問をするような人がいたとしたら、まじめ過ぎる人として敬遠されてしまうかもしれません。
 しかし、こういう標準をもって友人を知るとしたら、意外に、新しい親友ができるかもしれないなあ、と考えておりました。

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 参考文献:『修身教授録』 森信三 (致知出版社)
 

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