人生において或る意味では習慣がすべてである。というのはつまり、あらゆる生命あるものは形をもっている。生命とは形であるということができる。しかるに習慣はそれによって行為に形が出来てくるものである。
三木清著 『人生論ノート』より引用
かつて自己啓発セミナーが流行ったことがありました。
自分に自信をつけよう、新しい自分をみつけようと悩んでいた若者たちが、高いお金をかけても自分を変えたいと集まったのです。
私も一度だけ参加したことがありました。
興味深かったことは、どの人もいったんは自信をもって元気になるのですが、3か月も経つと元に戻ってしまうことです。
外的な刺激を受動的に享受しても時間が経つとだんだんと忘れてしまうのだ、と思いました。
忘れないように、続けられるように、主催者もさまざまな勧誘方法で次へとつなげる努力をされているようでしたが、それもかえって怪しく見えてしまって、こういうのは誰にでも通じるような普遍的な方法ではないのだろうなあ、と考えておりました。
人生を変えるには、自分で変えるしかないのです。ということは、つまり習慣を変えるのがよいのではないでしょうか。
しかし、永年身につけてきた習慣を変えるのはすごく難しいことです。
習慣は変わらない、だから人生も変わらない、ということになってしまいます。
習慣を変えようと思ったら、本を読んだり、人の話を聞いたりして学び、効率のよい方法を知り、後は自分の覚悟と実行力ということになります。

参考文献:『人生論ノート』 三木清 (新潮文庫)
Hitoshi Yonezu at 10:00
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