『知的ストレッチ入門』を読んで

2011年11月19日

 日垣隆さんの『知的ストレッチ入門』には、知的生産力を効率的に伸ばしていく方法がまとめられています。

 知的生産にストレッチとは変わった題名ですが、ストレッチ体操で筋肉をしなやかに強化するように、小さな習慣を重ねて知力も向上させるという意味がこめられています。

 知的ストレッチの基本3原則とは次のようなものです。

 1、インプットは必ずアウトプットを前提にする
 2、うまくいった諸先輩の方法をどんどん採り入れる
 3、おのれを知る

              『知的ストレッチ入門』より引用


 基本原則をもとにして、読む、構える、考える、創る、書く、疑う、出逢う、変わる、決めるの8つの分野について具体的なアイデアが伝授されます。

 第4章「創る―ストレッチ仕事術」に、マニュアル化する能力について、次のような文章がありました。

 肝心なのは、自分なら誰よりも早く完璧にこなせる仕事があったとして、あなたが、その後もまったく同じ依頼を引き受け続ける人になっていくのか、それとも、この人に頼んだら別の形で解決して、マニュアル化してくれると思われる人になっていくのか、です。
 自分にできたことを他社に教えて誰もができるようにする後者が、いわゆる「仕事ができる人」の正体ではないでしょうか。

                『知的ストレッチ入門』より引用


 この説明はまさにその通りだなあと思います。うちの会社の社員たちに分かってほしいところです。

 仕事を増やすということについては次のようなことが書かれていました。

 結局、くだらないテレビを見続けてしまったり、変に悩んだり、何の生産性もない時間をたくさん過ごしてしまうというのは、その時間が埋まっていないからなのです。そこに動かしがたい締め切りが入ってくれば、それをこなしていかなければならないため必死にならざるをえない。そうすることによって、嫌でもスキルがついてくるので、次第に土日は余裕で遊べるようになる。

               『知的ストレッチ入門』より引用


 ここも納得いたしました。
 友人の医師に聞くと、研修医だったころは一日24時間予定がびっしりで大変忙しかったそうです。遊んでいる暇はまったくなかったのです。そのような経験を通じて一人前の医師となれるような知識と技術が身についたのです。
 一般の仕事も同じことだと思います。どんどん仕事を入れスケジュールを埋めていったほうがよいのです。

 第9章の「決める―ストレッチ決断力」には、スケジュール手帳の選び方が提示され、日垣さんのすすめる手帳の具体的な商品名も示されています。

 日垣さんが選んだ手帳の機能は、私が望んでいるものとほぼ一緒でした。
 私が違うところは、小さな手帳は書きずらいのでポケットサイズではなくA5サイズを求めること、一日のスケジュールを書くスペースは24時まであること、土日も平日と同じスペースがあることの三つです。後の二つの機能は私が飲食店を経営しているために必要なもので、一般の方には不要と思います。

 すぐ使えるアイデアもあり大変勉強になりました。みなさまもご参考になさってください。

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 参考文献:『知的ストレッチ入門』 日垣隆 (新潮文庫)
 
 
 日垣さんは読書会もすすめておられます。私もビジネス読書会を開いております。ご興味のある方はこのブログの右の欄をご覧ください。

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