投資といえばコツコツと長期投資をするのが王道であると言われております。私もそう思っております。
先日もこのブログで、長期投資の本をご紹介したばかりです。
参考ブログ:「『ほったらかし投資術』を読んで」
http://highlyeffective.naganoblog.jp/e841542.html
ところが、eワラント証券COOの土居雅紹さんはご著書『勝ち抜け!サバイバル投資術』で次のようにいうのです。
これまでお題目のように述べられてきた「長期」「分散」「株価指数連動」といった「投資の常識」は、結局のところ金融関係者にとっての便利な言い訳にすぎません。
「長期・分散投資をしておけば大丈夫」は金融関係者の常套句です。しかし実際は、投資理論の歴史は浅く、本当は誰もよくわかっていないのが真実。
『勝ち抜け!サバイバル投資術』より引用
長期投資は、①拡大経済、②限定的ショック、③盤石な国家、との楽観的な前提にもとづいており、日本のように人口が減少し、経済規模が縮小する経済には当てはまらないのです。
日本だけでなく、いずれ他の国家も「日本化」する可能性があり、長期投資は要注意だといいます。
この理屈については実は私も懸念しているところです。
今後、日本も世界も経済発展しないのだ、という考え方をするならば、すべての長期投資、インデックス投資、分散投資は無意味になります。
ではどうすればいいのか?
土居さんは、世界各国で勃発するバブルに乗り、うまく降りる投資術を提唱されています。
例えば株式であれば、普段はキャッシュの比率を高めておき、なにかのショックが起きて、株価指数が暴落したときに、リスク比率を高めるという投資方法です。
このようなショックは5年から10年に一度しか来ないこともありますので、我慢が必要となります。
この本は題名が奇抜なために、内容が薄いように感じられてしまって、損をしていると思います。
これから起こりそうなバブルについて詳しく予想されていますし、投資の方法も具体的ですから、投資に興味をもっておられる方ならぜひ読んだ方がよいです。納得できる内容です。
ただ、バブルの波に一般投資家が上手に乗れるのか?というと、実際にはほとんどの人が乗れない、と思います。相当勉強して、市場を見続けていないと失敗する確率が高いように思います。
極端な話ですが、全員がバブルに上手に乗れるのだとしたらバブルは起きない、ということになってしまいます。
分かりやすく書かれているので、波に乗るのも簡単そうに考えてしまいますが、この投資術には自らの相場観が要求されます。
一般投資家は、長期投資を基本に、このような波を待つ投資もサブに考えるという方がよいのではないか、と思います。

参考文献:『勝ち抜け!サバイバル投資術』 土井雅紹 (実業之日本社)
Hitoshi Yonezu at 10:00
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