かげほめ

2011年10月31日

 酒井穣さんの『はじめての課長の教科書』に、部下のほめ方がスキルの一つとしてまとめられていました。

 部下をほめるときは、ミーティングや打ち上げの場などの、なるべく多くの人が集まるところでほめるようにします。そしてほめるときは、できれば複数の部下を同時にほめるのではなく、十分に目立つように、ただ一人をしっかりとほめるようにします。
 一方、誰から見ても高い能力を示し、昇進がほぼ約束されているようなキーマンの部下の場合は、あまりほめられることに飢えていないことが多いものです。
 そんな部下には「課長がいつもほめているよ」という具合に、直接ではなくて第三者の口から課長の思うところを伝えることができれば信憑性がましてより感謝の気持ちがうまく伝わることもあります。
 
         酒井穣著『はじめての課長の教科書』より引用


 長い引用になってしまい、申し訳ございません。

 総じて日本人はほめることが苦手だと思います。

 社長には仕事の中でほめなくてはならない場面がありますが、課長や部長などの中間管理職となると、そのような場面も少ないでしょうから、もっと苦手ではないかと思います。

 酒井さんは、部下をほめるという行為について「感謝の意を示しつつ部下のすすむべき方向をはっきりと示す」ことに意味があると述べておられます。

 管理職は重要な仕事の一つとして部下をほめるべきなのです。

 引用した文章の後半に書かれていることは、第三者を介して人をほめるという方法です。

 これは「かげほめ」とよばれているほめ方ですね。

 優秀な部下だけではなくて、人前でほめられると恥ずかしい、恐れ多い、と感じてしまう人にも、かげほめの方がありがたく感じるのです。(私もどちらかというと人前でほめられるのは苦手です。もういまは人前でほめられることはありませんが・・・)

 私の友人に「かげほめ」の神様みたいな人がいまして、その方と電話で話していると、自分が随分すごい人になったような気分になってしまいます。彼女の場合はほめることが習慣として身についているのです。デフォルトの状態がほめる、ということですね。

 「かげほめ」は内容を変えて悪口にすると、「かげぐち」ということになり、「かげほめ」と全く逆の効果になってしまいます。

 陰でほめるか、悪口を言うかで、逆サイドに大きく振れるということです。陰ではほめることに専念した方がよいですね。

 『はじめての課長の教科書』は、2008年に第1刷が発行されていますが、私の手元にあるのは2010年の第12刷ですから、読まれ続けている本です。

 課長でなくても、社長や組織で働く者にとっては大変参考になる本です。ぜひご一読ください。
  
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 参考文献:『はじめての課長の教科書』 酒井穣 (ディスカヴァー・トゥエンティワン)
 

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