相手が得をするくらいがちょうどいい

2011年10月22日

 渡邉美樹さんのご著書『使う!論語』より引用します。

 ケーキが一つあるとします。これを二人で切り分ける。その場合、私は少し大きいかな、と思うほうを相手に分け与えるくらいでちょうどいいと思っています。すると、相手は同じくらいのケーキをもらったと思うものなのです。
 なぜなら、人は誰でも自分が一番可愛いから。どうしても自分中心に物事を考え、損か得かを考える。だから、相手に少し譲るくらいでバランスが取れるのです。
 相手が少し得をするくらいがフィフティ・フィフティ。こう考え、行動する限り、争いは起きないものです。

               渡邉美樹著 『使う!論語』より引用


 逆にいえば、自分が少し損をするくらいがちょうどいい、ということですね。

 この考え方と全く同じことを、いつもお世話になっている中澤先生から「貸し勘定で生きる」という言葉で教えてもらったことがあります。

 人に借りをつくって生きるのではなく、人に少し貸しているバランスで生きる方が、人生を楽しく過ごせる、という意味です。

 「あの人にいくら借りている、あの人にはお世話になりっぱなし、あの人には面倒をかけてしまった・・・・・・」

 と冷や冷やしながら日々を過ごすよりは、人のために働いて自分が少し損をしている方が精神的に楽です。
 
 周りの人々もそういう人なら信頼をおいて認めてくれるでしょう。

 「少しでも大きい方を自分へもってこよう、自分は一円たりとも損をしないぞ、俺の恩を分からせてやるぞ・・・・・・」
 
 という態度では、短期的には自分の利益になるかもしれませんが、長期的にはよい人が集まらず、自分が不利になるばかりです。

 渡邉さんはこの後、日々の生活で出会う四つの選択肢を挙げておられます。
 
 一、善なることで得なること
 二、善なることで損なること
 三、悪なることで損なること
 四、悪なることで得なること

 この四つの中では、当然、二番を選択することになります。
  
 人情としては四番に手を出したくなることもありますから、自分に厳しく、気をつけなくてはなりません。
 
 渡邉さんは「『論語』を体に叩き込んで生きてきた。」そうです。

 『使う!論語』は、渡邉さん流の『論語』の解釈を知ることができる本です。
 
 ご参考になさってください。

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 参考文献:『使う!論語』 渡邉美樹 (三笠書房)
 

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