私は普段は普通車に乗車しますが、先日、お客さまとご一緒させて頂く機会があり、お客さまのお席に合わせなくてはいけなくて、ある鉄道の特別車両(グリーン車とか、スーパーシートとか呼ばれている席です)に乗ることになりました。
電車が出発し、車掌さんが検札を始めたときです。
和服姿の年配の上品そうな女性が、息を切らしながら車両に入って来られて、車掌さんに
「いま自由席にいるのですが、こちらの席、7人分空いていますか?」
と聞きました。
もしも私がこの電車の車掌だったなら、こんなにありがたい話はありません。高い席を空で走らせるより、席を埋めて頂いた方が商売になるのですから、
「7人ものお客さまが乗ってくださるのですか!?ありがとうございます。ぜひぜひお願いいたします。」
と言うだろうなあ・・・・・・とその様子を眺めていたのですが、その車掌さんはにこりともせず、ありがとうでもなく、面倒くさそうな顔をしているのです。
「追加で△千円かかりますよ。切符を見せてください。」
と木で鼻をくくったような態度です。
どうやら特別な割引の切符の場合には、車内での席変更の処理が難しいらしいのです。
まあそれでも7人分の席が空いていますし、その切符でも大丈夫ということになったようで、女性がぞろぞろと車両に入って来られました。
席に着くと、一人ずつ検札と特別席の券の発行が始まりましたが、それぞれが違う切符をおもちだったようです。
追加する金額が違ったり、払い戻しの方法が違ったりとかなり複雑そうです。
切符の規則は難しいのに、車掌さんは無愛想に説明するので、女性たちと話がかみ合いません。
車掌さんは、
「私が一つ疑問に感じているのは・・・・・・」
などといって、あくまでも規則の話ばかりをしています。
ご高齢の女性に難しい切符の規則の話をしてもなかなか理解してもらえないでしょう。理解されないからこそ、相手の立場になってやさしく話さなくてはなりません。
これはトラブルになる局面だなあ・・・・・・とハラハラしていましたら、案の定、女性の一人が声を荒げてしまいました。
鉄道には厳格な規則があり、車掌さんの勝手な判断だけで割引も変更も出来ないでしょう。
団体のお客さまが急に席を変更したので、車掌さんとしては余計な仕事が増えてしまったという感じがあったのかもしれません。
それにしても、車掌さんがもう少し違う対応の仕方をしていたらトラブルにはならなかったのになあ、「ありがとうございます」の一言があればなあ・・・・・・
分かりやすいドラマのように展開していくこのトラブルをただ眺めているばかりでした。
Hitoshi Yonezu at 10:00
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