企業は、法や社会によって認められ生かされている存在である。まして権力や権限を持つに至ったのであれば、自分たちの会社は何のために存在し、どのようなことで社会に貢献しないといけないのか考えなければならない。社会にとってプラスになっているかどうかが、その企業の価値を決めるのだ。
柳井正著 『成功は一日で捨て去れ』より引用
柳井正さんの『成功は一日で捨て去れ』には、柳井さんの尊敬している人物として松下幸之助さんと、P.F.ドラッカーのお二人が挙げられています。
柳井さんの著作には全編通してドラッカーのマネジメントの影響を感じます。実際、『成功は一日で捨て去れ』には、ドラッカーの著作からの引用もあります。
冒頭に引用した文章を読んだときに、たしかドラッカーも似たようなことを述べていたよなあ・・・・・・と思いました。
早速『マネジメント エッセンシャル版』を読み返してみて、次のような文章を見つけました。
社会や経済は、いかなる企業をも一夜にして消滅させる力を持つ。企業は社会や経済の許しがあって存在しているのであり、社会と経済が、その企業が有用かつ生産的な仕事をしているとみなす限りにおいて、その存続を許されているにすぎない。
P.F.ドラッカー著 『マネジメント エッセンシャル版』より引用
いずれも厳しい言葉ですが、貫かれている意思は同じことではないでしょうか。
企業は、法や経済によって、一応、存在が許されているのですが、社会に役に立ち、貢献しないと、存在している価値がないということです。
立派な経営者になればなるほど、自社に対して厳しく、自分に対して厳しくなるように感じます。
昨今、『もしドラ』ブームを通じてドラッカーが見直されているのは、一般の人々にも、自分を厳しくマネジメントしていこうという意識が高まっているからかもしれません。

参考文献:
『成功は一日で捨て去れ』 柳井正 (新潮社)
『マネジメント 基本と原則[エッセンシャル版]』 P.F.ドラッカー (ダイヤモンド社)
Hitoshi Yonezu at 10:00
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