フランチャイズの加盟店というと、ロイヤリティばかりとられて儲からないとか、本部との訴訟やトラブルとか、悪いイメージがつきものだと思います。
株式会社丸道の丸山忠さんは、フランチャイジー(加盟店)の経営者として大成功された方です。
丸道は、お好み焼屋、居酒屋、リラクゼーションサロンなど、26施設を運営し、年商は15億円にもなります。
丸山さんの著書『それでもフランチャイズを選びなさい』によりますと、丸山さんは地元でも有名な不良少年だったそうです。
夜遊べることがことが気に入って、お好み焼屋の道とん堀に入社しましたが、入社後はまじめに仕事をするようになり、18歳で店長に抜擢されたそうです。これが丸山さんにとって大きな自信となりました。
その後、3年間、給料なし(実際には給料を積み立てていたそうです)、休みなし、でお金を貯め、22歳にして、道とん堀のフランチャイズ店舗のオーナーとして独立できたのです。
この本は、なぜ自社業態を経営するよりもフランチャイズの加盟店の方が成功するのか、具体的に教えてくれます。また、丸山さんのいままでのビジネスの経歴も公開してくださっているので、読み物としても面白いです。
私もフランチャイズビジネスに関わっておりますので、興味深く読みました。
家族や友人を管理職として特別扱いで社に迎え入れたときの失敗談を明かされています。
私にも似たような経験がありましたが、近しい人ほど甘えが許されてしまいますので、フランチャイズに限らず、どんな会社であっても注意が必要なことだと思います。
丸山さんは、いまでは六本木に住み、2000万円もする車や時計など、欲しいものはすべて手に入れることができたそうです。
このようなプライバシーを明かすことは憚られることだと思いますが、あっさりと開示されているのをみると、本当に正直で素直な方なのだろうなあ、と感じました。
他の方のビジネスのやり方を知るのは、経営者として大変勉強になります。
フランチャイズで起業したい方や、既存のビジネスでうまくいかないと感じている方には、ヒントになる本です。ぜひご一読ください。

参考文献:『それでもフランチャイズを選びなさい』 丸山忠 (興陽館)
Hitoshi Yonezu at 10:00
| 読書感想