『経営の教科書』を読んで

2011年07月23日

 『経営の教科書』は、シェル石油、日本コカ・コーラ、ジョンソン・エンド・ジョンソン、フィリップスなどのグローバル企業で、社長職を三社、副社長を一社経験されてきた新将命(あたらし まさみ)さんが、30項目にわたる「経営の原理原則」を伝授してくれる本です。

 新さんは、業種業界に関係なく、企業経営の根幹の80%はどこの会社も同じであるといいます。
 残りの20%は商品や流通や商習慣の違いであり、これは半年から一年も勉強すれば習得できるものだそうです。
 だからこそ社長は、「不易」である根幹の80%、すなわち「経営の原理原則」を身につけることが重要だと述べています。

 外資系のグローバル企業の経営者として渡り歩いてこられた方ですので、厳しいマネジメントの話がたくさん出てくるのだろうなあ・・・と想像していたのですが、読んでみると、理念や目標やコミュニケーションなどの話が中心で、とがった話は少なくて、少々肩すかしをされたような気がしました。

 日本の中小企業のほとんどが、ある程度の規模までいくと成長が止まってしまい、踊り場から抜け出せなくなってしまいます。新さんは、その原因の一つは、社長が社員に「任せる」ことが出来ていないからだといいます。

 会社は社長の器以上には大きくならない、とよくいわれますが、器のなかには、「任せる能力」が含まれているのだそうです。
 
 アメリカには次のような言葉があるそうです。

 経営とは、人を通じて物事を達成する技なり


 経営とは、平凡な人に非凡な仕事をさせる技なり


                       『経営の教科書』より引用


 この話は「任せる」という話の流れから出てきたものですが、「任せる」ということよりも、マネジメントの体制を作る話ではないかな、と思います。

 では、どうすればそのようになるのか?については、ここには、コミュニケーションや精神的なことが書かれていて、具体策は説明されていません。

 新さんもここにはすべてを書ききれなかったのでしょう。
 
 日々の経営活動の中でよい方法を探していきたいと思います。

 経営者の方はぜひご一読くださいませ。

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 参考文献:『経営の教科書』 新将命 (ダイヤモンド社)
 

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