グローバルか?国内か?

2011年05月13日

 三橋貴明さんの『日本の大復活はここから始まる!』によれば、韓国の電機メーカーは、合従連衡の末、大手はサムスンとLGの二社のみとなり、自動車に至っては、現代自動車グループだけで、国内メーカーのシェアの80%を超えているそうです。
 
 つまり、サムスン電子、LG、現代自動車は、韓国の国内市場では、ほぼガリバー状態ということです。

 日本には、家電を手掛ける主要メーカーだけで九社もあり、それぞれが国内市場に対して大変な努力をして営業を繰り広げています。

 韓国は国内市場が日本ほど大きくなかったために、早くから世界に打って出る戦略をとり、世界の市場で売れる標準化、画一化された商品をいかに安くつくるか、という競争に挑んでいきました。

 その結果、日本の家電メーカー九社の利益をすべて合わせても、サムスン電子一社にかなわない、という状況にまでなったのです。

 日本ではサムスンやLGの製品は、国内のメーカーほど売れていませんが、日本の消費者は、世界標準の製品ではなくて、高品質で高機能の製品を求めているからです。日本の特殊性もあるかもしれませんが、日本では、常に改善されより高付加価値になっていく製品を安く手に入れることができます。

 三橋貴明さんは、このような状態を嘆く必要はなく、他国のように経営者が巨額の報酬を得ているわけでもなく、国民が得をしているのだからむしろ誇るべきであるとし、『日本の大復活はここから始まる!』でも、アンチグローバリズムを掲げています。

 これは、竹中平蔵さんの『日本経済こうすれば復興する!』とは全く逆のことを言っていますし、どちらかというと少数派の意見です。三橋さんの書籍が注目される所以です。

 ガラパゴス化という言葉も出てきているくらい、日本という国は特殊なのですが、この特殊さをよいことととみるべきなのか、孤立しているとみるべきなのでしょうか。

 ときには三橋さんのようなとがった考え方をもつ方の本を学んで、右も左もみたうえで、世の中で正しいと思われていることが本当に正しいのかどうか、自分の判断材料にしています。

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 参考文献:
 『日本経済こうすれば復興する!』 竹中平蔵 (アスコム)
 
 
 『日本の大復活はここから始まる!』 三橋貴明 (小学館)
 

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