船井総合研究所の会長である小山政彦さんは、2000年に同社の社長に就任し、42億円の借入金のある会社を、数年で47億円の預金をもつ会社に生まれ変わらせた有名な経営者、経営コンサルタントです。
私もときどき船井総研の経営の勉強会に出かけますが、たくさんおられる講師のなかでも小山会長の話がいちばん面白く、勉強になりますので、いつもとても楽しみにしています。
小山さんの近著『9割の会社は社長で決まる』に、企業の継承について、次のように述べられていました。
彼は二世から父親の愚痴を聞くたびに、「今すぐ家に帰って父親を会社から追い出し、隠居させてこい。それができないなら親が死ぬのを待て」と諭すと言います。
なぜなら親は年老いても、親のエゴで子供に任せることはないからです。彼はまた「自分は早くに父親を失って家業を継がなければならなかったことは運が悪かったが、若いときから自分で決断して事業を拡大できたことは、別の意味で運がよかった」とも言います。
たしかに二世がとる選択肢は3つしかありません。1つ目は父親を隠居させること、2つ目は自分が家業を辞めて外に出ること、3つ目は父親が亡くなるまで待つことです。
小山政彦著 『9割の会社は社長で決まる』より引用
厳しい物言いだと思われる方もいるかもしれませんが、もし企業を継承しようというのであれば、こういう決断は早くしなくてはならないでしょう。
中小企業では、親の庇護のもとにいる限り、思い切った改革はできないと思うからです。
家族は近しいが故に、わがままや甘えが許されてしまいます。家業とはいえ、公私混同でわがままし放題の経営者もいます。こういう問題に触れることがタブーとなっている会社もあるでしょう。
会社と個人の人格を峻別することが求められます。私も自戒しています。

参考文献:『9割の会社は社長で決まる』 小山政彦 (中経出版)
Hitoshi Yonezu at 10:02
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