リーダーシップと危機

2011年04月10日

 このたびの災害で被災されました全国の皆さま、およびご関係の皆さまに心よりお見舞いを申し上げます。
  
 いま我が国は大きな危機に直面して、リーダーシップについてもさまざまな議論がなされています。
 
 ドラッカーはリーダーシップと危機について、次のように述べています。

 幸か不幸か、いかなる組織も危機に襲われる。必ず襲われる。そのときがリーダーに頼るときである。
 リーダーにとって最も重要な仕事は、危機の到来を予期することである。回避するためでなく備えるためである。危機の到来を待つことは責任の放棄である。暴風雨を予期し、先手を打たなければならない。災厄の到来を防ぐことはできない。だが、それに対処すべき態勢の整った組織、すなわち士気高く、とるべき行動を知り、自信に溢れ、互いに信じあう組織をつくることはできる。
 訓練において重要なことは、将校への信頼を兵士にしみ込ませることである。信頼なくして戦うことはできない。

                     『ドラッカー 365の金言』 4月10日の節より引用


 万事平和に進んでいるときには、リーダーといえども、危機を想定して準備をすることはなかなか難しいことです。

 周りの人々も、平和なときには、危機に対する準備を無駄な費用と考えます。少し古いですが、「いけいけどんどん」という雰囲気です。

 そういう状況において、リーダーが「危機の到来を予期する」のは、非常に勇気のいることです。後ろ向きだとか、弱気だと揶揄されるからです。

 危機が起こって初めて、危機を予期できたのはリーダーしかいなかったんだ・・・と分かります。

 たとえ危機は予期できなくても、信じ合う組織をつくっておくことは、平時からでもできることです。
 
 災害の現場においては情報が錯綜し、本当のことが分かるまで相当な時間がかかりました。何も分からない状況では、信じることが唯一の頼みの綱だったと思います。
 
 私も信じ合う仲間や組織をつくろう、と強く感じております。

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 参考文献:『ドラッカー 365の金言』 P.F.ドラッカー (ダイヤモンド社)
  

 Hitoshi Yonezu at 10:00  | ドラッカー

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