『夜と霧』より

2011年03月14日

 『夜と霧』は、第二次世界大戦中、アウシュビッツ収容所に収容されたユダヤ人精神科医、ビクター・E・フランクルがその体験をまとめた本です。世界的に有名な本です。

 アウシュビッツ収容所の待遇はあまりにもひどく、写真付きのこの本を読んでいると、本当に恐ろしくなります。
 
 このたびの地震においては、いまだに大勢の方が、収容所に捕らえらたのと同じくらいの、否、それよりもずっと大変な厳しい境遇におられます。

 自衛隊も10万人体制で救助に向かっているそうですので、どうか元気を出していただきたいと思います。

 何かお役に立てればと思い、『夜と霧』より引用いたします。

 私は今や、人間の詩と思想とそして―信仰とが表現すべき究極の極みであるものの意味を把握したのであった。愛による、そして愛の中の被造物の救い―これである。
 たとえもはやこの地上に何も残っていなくても、人間は―瞬間でもあれ―愛する人間の像に心の底深く身を捧げることによって浄福になり得るのだということが私に判ったのである。収容所という、考え得る限りの最も悲惨な外的状態、また自らを形成するための何の活動もできず、ただできることと言えばこの上ないその苦悩に耐えることだけであるような状態―このような状態においても人間は愛する眼差しの中に、彼が自分の中にもっている愛する人間の精神的な像を想像して、自らを充たすことができるのである。


 こんなことを言う資格は私にはないかもしれませんが、どうかよいことを想像なさってください。一刻も早い救助と回復を願っております。

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 参考文献:『夜と霧』 V.E.フランクル (みすず書房)
 

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