スタッフに関しても、スタッフ部門の仕事についてと同様の原則がある。いくつかの現業の仕事、できれば二つ以上の部門で実績をあげた者でなければスタッフに任命してはならない。現業の経験がなければ、現業に対し傲慢になる。計画する者にとっては、現業は常に単純きわまりない仕事に見える。
『ドラッカー365の金言』 11月28日の節より引用
昨日に続いて、スタッフ部門と現業部門の話です。
ドラッカーは、引用した文章で分かるように、現業を経験した者でなければ、スタッフにしてはいけないと言っています。
また、スタッフの仕事に5年から7年携わったら、現業に戻し、現業に5年携わったら、またスタッフの仕事に就かせるというように配置転換を行い、スタッフの仕事を一生の仕事にさせてはいけない、とも言っています。
最近は新入社員であっても、その人物の向き不向きを見て、スタッフの仕事に向いているものであれば、始めからスタッフ部門に就かせることもあると聞きます。
ドラッカーの言っていることは、なんでもやらせようとするかつての日本的経営ですが、日本の企業は逆に欧米的な方法を取ろうとしているのです。
新人が現場を全く知らない、というわけにはいかないでしょうが、どちらの方法も一理あると思います。中小企業としては、人物と状況に応じてよく考えたいことです。

参考文献:『ドラッカー 365の金言』 P.F.ドラッカー (ダイヤモンド社)
Hitoshi Yonezu at 10:00
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