言葉が現象化するというのは、「その夢や希望が実現する」という意味ではなくて、「その言葉をまた言いたくなるように現象化する」ということを言っています。
小林正観著『啼かなくていいホトトギス』より引用
日本には昔から、発した言葉には魂が宿っているという考え方があり、言霊(ことだま)と呼ばれています。
小林正観さんは、なりたい自分を願っていると、その願っていることが実現しない、願っている姿がいつまでも実現してしまうのだ、といいます。
もっと売り上げが上がってほしい、と言えば、もっと売り上げが上がってほしいと思うような状況がいつまでも続いてしまいますし、いい人が現れてくれますように、と言えば、いつまでたってもよい人が現れない状況が起きてしまうのだといいます。
では、どうしたらいいのか。
うれしい、楽しい、幸せという言葉を発するのです。そうすれば、翌年もまた、うれしい、楽しい、幸せと言いたくなるような状況が現象化するのだそうです。
これらの言葉の先には、究極の喜びの言葉として、「ありがとう」があり、「ありがとう」と言い続けることで、来年もまた「ありがとう」と言いたくなるような状況が現象化するといいます。
やや宗教的で怪しいとお思いになる方もおられるでしょうが、実際のところ、うれしい、楽しい、幸せ、ありがとう、と言っている人と、いつも文句や厳しい言葉を発したり、人の批判、非難をしたり、暗い後ろ向きなことを言ったりしている人とを比べたら、どちらの方が好かれているでしょうか。
当然、前者ですね。
ひどいことを言っている人は、自分では何を言っているのか、どう思われているのか、意外にも、本人は気が付いていないことが多いですよ。
自分一人が張り切っていても無駄だと思わず、バカだと言われても感じることなく、頭にくることがあってもさらっと流して、「ありがとう」と言い続けられるようになりたいと思います。

参考文献:『啼かなくていいホトトギス』 小林正観 (中経出版)
Hitoshi Yonezu at 10:00
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